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生徒以上恋人未満
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先生が話終えて俯く
俯き見えたうなじが赤く染まっていた
「……先生それって俺の事好きってこと?」
「――っ?!」
俯く先生が勢い良く顔をあげて俺を見てくる
真っ赤な顔してあわあわと唇を噛んで俺の言葉に何か言いたげな瞳で訴えてきた
「あ…悪い……」
「そ、そんなハッキリ…」
「……じゃあやっぱり先生も俺と同じ気持ちってことで間違いないんだな?」
「…っ…だ、だから…それは今私には答えられません……って?!つ、月乃くん?!」
「好きだ」
「〜〜〜〜っ」
ぎゅっと口を結び答えを濁す先生を抱きしめる
その瞬間ふわっと石鹸のようないい匂いが漂ってきて首筋に顔をうずめるとくすぐったそうに先生が身をよじった
「綺月さん好きだ」
「い、言わないでください…」
「駄目、ちゃんと言わせて」
「〜〜〜っ」
したを俯いたまま目を見ようとしない先生の頬を包み込んで上に向かせる
潤んだ茶色い瞳が俺を写してユラユラと揺れていた
「綺月さんが好きだ、ずっと…ずっと好きだった、これからも今も変わらず綺月さんが大好きだ」
「つ、月乃くんっ」
「俺待つよ…いくらでも待つ…綺月さんが素直に言える日まで俺待つから」
「………駄目です……貴方は今しか経験できない時間を生きて私ではない他の誰かと恋をして下さい」
「それは無理だ」
「っ!な、なぜですか…?!」
「俺はもうとっくに綺月さんに恋してる…綺月さんに惚れているのに他の誰かなんて好きになれねえよ」
「〜〜〜っ」
「だから綺月さん、予約させてよ」
「よ、やく…?」
「そう、俺が高校を卒業したら付き合ってくれるって…俺を恋人にしてくれる予約」
「――――っ!」
「いいだろ?今すぐだなんて言わない、綺月さんを苦しめないから不安にもさせないから」
「………」
「綺月さんの事だけが好きなんだ…お願い、卒業したら俺のものになってほしい」
「………」
「綺月さんが大好きだから」
「〜〜っ…も、言わないで…」
「え?」
「そ、それ以上好きって言わないで下さいっ……幸せ過ぎて死んでしまいそうですっ」
「っ!」
目に涙を溜め込み視線を逸らす先生を思わず抱きしめた
好きだ 好きだ 大好きだ
今迄の気持ちが一気に溢れかえってくる
止まらない想いを伝えるように強く強く抱きしめた
「綺月さんそんな顔すんのは卑怯だ」
「つ、月乃く…っ!…んっ…んぅ」
抱きしめたまま俯く先生の唇にキスをする
驚く先生を腕に閉じ込めたまま舌を潜り込ませた
「んーー!…ぁっ…つきの…んっ…ふぅ」
吐息と一緒に先生に名前を呼ばれて沸騰したかのように身体中が熱くなる
「綺月さん、好きだよ」
「〜〜〜っ」
離れた唇から銀糸が引き合いテラテラと光っていていやらしい
真っ赤な顔をした綺月さんはさっき迄の困った表情ではなくてすっかり蕩けた顔をしていた
「………学校ではしない」
「え?」
「…バレても構わないとかもう餓鬼みたいなことも言わねえようにする」
「……」
「俺はちゃんと卒業するし、綺月さんにもここで働く事邪魔するようなことはしねえから」
真剣に話す俺に綺月さんが真っ直ぐに見つめてくる
「………だから、綺月さん俺が卒業したら付き合ってほしい」
「――っ」
「………」
「…もし」
「え?」
「もしも…私じゃないほかの誰かを好きになったら…その時は遠慮なく恋して下さい」
「………ねえよ」
「………」
「そんな心配は要らねえよ、俺は綺月さんしか見てねえから」
「…っ」
「いつだって綺月さんのことしか考えてないから」
「月乃君…」
「今はまだ恋人として綺月さんの傍にいれねえけど」
「………」
「卒業したら俺もっとかっこよくなってから告白するから……だからその時また返事きかせて綺月さん」
「…っ…はい」
不安と喜びと照れくささと
いろんな感情が混ざりあったような表情を浮かべた先生が微笑む
きっと俺にはまだわかってやれない問題とか現実だとか色んなものが綺月さんを苦しめてる
少しでも早く大人になりたい
今すぐこの人の不安なものかき消してやれるくらいの大人になりたい
先生と生徒
絶対に他人にはバレちゃならない関係だけど
この人の傍に居れるならどんな秘密だって守れると思った
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