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× 狂犬に首輪を
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終わった、と思った。でも綺麗だとも思った。
キラキラと陽光に輝くオレンジの髪がどこか懐かしくて。つい目を奪われる。
『何見てんの? 気持ち悪いね、お前』
でも、聞こえてきた声は暖かな光とは似つかない程に冷たく侮蔑するかのような声音だった。
人生が変わる言葉っていうのはいつもいい事だけじゃなくて。
どん底に落ちる事でもある。
『み、見てないっ、です……』
『……俺に口答え?』
『ーーっちが、?!』
『犬よりも馬鹿そうだな。 暇だから今日からお前のこと下僕にしてやるよ』
冷たくて怖いぐらい整った顔が微かに色を帯びる。ああ、こうやって人は他者を虐げるんだと悟った。その愉悦の裏に悲しみが生まれる事さえ気付かずに。
冷たい瞳の彼に言われたその瞬間、僕はペット以下の存在になり下がったんだ。
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