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新しい家族1(アキ)
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その日僕は夜8時の暗い公園で死にかけていた。
「たす…っけて…」
僕はそう言い続けるけれど、その声はだれにも届かない。
「ああ、僕はここで死んじゃうのかな…。」
そんなことを呟きながらも僕は助けてと言い続けた。
もう、8時30分になりそうだ。こんな時間に公園に来る人なんていない。精々居ても酔っ払いくらいだ。僕は吸血鬼(ヴァンパイア)だから酔っぱらった人の血なんて飲んだら大変なことになっちゃう。
「誰か…たすけて…、だれ…か…た……けて…。」
3日も血を飲んでなかったらこうなるんだなってしみじみ思う。まるでミイラになったような気分だよ、最悪…。
するとそこへ運よくまだ若そうな男の人が通りかかった。僕は神頼みするかのように最後の声を出し切った。
「ねぇ、助けて…。たすっ…けて……。」
これで気づいてもらえなかったら僕は終わりだと思っていた。けれど…
「ん?なんだ…?」
男の人は僕の声に気づいてくれたようだった。
僕はどうにか声を出し切って血が欲しいと言った。男の人は『わかった。』と返してくれたので僕は気を抜いてしまった。すると一瞬で眠ってしまった。
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