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取り戻したい(春馬)
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それから俺は友達に聞いて回った。けれども、答えはいつもNoだった。誰もアキの事を知らない。だから、場所も知るわけないのだ。
俺は兄ちゃんを頼った。というか、兄ちゃんしか頼れる人がいなかった。兄ちゃんは自分の友達にもアキの事を聞いてくれて、とても嬉しかった…多分……。
それからしばらくして、朗報があった。どうやら兄ちゃんの友達の宮坂さんという人がアキと言う人を見たらしい。それよれば、アキはその会社の社長さんと一緒に住んでいるらしい。本当かどうか定かではないが今はこれに頼るしかなかった。宮坂さんは丁寧にその『橋本晴也』って人の地図や行き方を教えてくれた。
俺は速攻でそいつの家へ向かった。そいつの家についたには9時だった。
「ここ、か…橋本晴也の家…は……」
俺はチャイムを押した。しばらくしてドアが開いたが、そこにいたのは俺よりも遥かに背が高くて良い顔立ちをした男だった。確かに、こいつの家ならアキは居そうだ。
俺はそいつに向かって大声で怒鳴った。
「アキとは、一夜を共に過ごしたこともあるんだぞ!」
晴也は俺にビビったのかドアをバタンと閉めてしまった。そして、こう言った。
「それくらい俺にだってある!」
嘘だろっ!?と思った。けれど、本当のようだった。それから俺はもう一度晴也が出てくるまでドアを思いっきりドンドンと叩いきながら『嘘だろっ!?』と言い続けた。けれど、晴也も出て来そうにないし、アキも居ないようだった。
だから、明日、また来ようと心に決めた。
―アキを、取り戻すために…―
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