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1日目
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人間、なんか癒しがないと生きていけないと思う。僕にとっては仕事終わりのカフェタイムが至福で、タバコでも吸いながらぼーっとしてんのが落ち着くわけで。それが日課になったら、行きつけのカフェとかいうのも出来ちゃうわけで。
「いらっしゃいませ、あいてるお席どうぞー」
扉を開けるとからんころん、と小さな鐘が鳴るような、古風なこの店が一番すき。
適当に席についたら、とてとてとこっちに向かってくる店員。あ、初めて見る子かも。
「ご注文が決まりましたらお呼び下さい」
にこ、って笑ってみせる彼。うん、この質問してくるってことは今日が初勤務かな?
僕はほぼ毎日のようにこの店にきて、ほぼ毎日同じアメリカンしか頼まないから、新人さんじゃなければこの質問はしてこない。
「アメリカン、ミルクもシロップも大丈夫です。」
「えー…Sサイズでよろしいですか。」
「…あ、はい」
「畏まりました。」
うん、微笑みが可愛いね。
キャラメル色の髪の毛が良く似合ってる、とんでもなく美形な男の子を採用したな。女の客増えそう。…スタイルいいな。ウチの店の服とか着せたいね。
っと、だめだな。すぐに人のことジロジロ見る癖やめよ、僕は人相があんまりよくないらしいから。怖がらせちゃう。
しばらくすると、キャラメル色の彼がトレイにコーヒーを載せて持ってきた。「お待たせしました。」といって、テーブルにコーヒーを置く手がカタカタと少し震えてる。
初々しいな、可愛らしい。いつもなら言わないけど「ありがと」というと、少しびっくりした顔をされた。なんだ、やっぱ怖がられてる?
ちょっとショックなんだけど。ま、いいや。かち、とタバコに火をつけて、ぼんやりと彼を眺めてた。そんな午後。今日からはこれが日課になりそうだ。
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