アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3日目
-
そして今日も今日とて友達も少ない僕はカフェに来た。カフェのマスターは昨日のことがあったからか「もう来てくれないかと思いました」なんて苦笑を溢す。「気にしてないんで怒んないでやってくださいよ」というと「光村も反省してるので、すみません」と言われた。光村、あの子は光村っていうのか。
適当に席に座って首の骨をこきこきと鳴らす。光村くんは僕の姿を確認するやいなや、注文を取りにくることはせずカウンターの中に消えて行った。マスターと何か話してる光村くん、トレイにコーヒーと…ロールケーキだと…?
「いらっしゃいませ。アメリカンです。それと…これ、俺のオススメです。新作のロールケーキなんですけど」
テーブルの上に載せられたのはどうみても生クリームたっぷりのロールケーキ。ロールケーキ…。
無言でロールケーキを見つめてる僕と、にこにこ微笑んでいる光村くん。
「…なんで?」
「昨日のお詫びです!」
「昨日モンブランくれたのに?」
「とっても美味しそうに食べてらしたので!甘いものすきなんですね!」
笑顔が眩しいよ、光村くん。
僕、甘いものすきだからモンブランにがっついたんじゃなくて、甘いもの嫌いだから流し込むように食べただけなんだけど…。どうやらその仕草が誤解を招いたらしい。
「あー、ありがとう」
「いえ!では失礼します!」
喜んでもらえた!と言っているような顔をされてしまった。僕のこの断れない性格、ほんと損してるよね。
あまいふわふわクリーム、胸焼けしそう。少しずつ切って口の中に入れると、…うぇ。
その日僕はアメリカンをもう一杯頼んで、いつもよりタバコを多く吸った。さすがにもうこんなコトはないだろうと思いながら。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 26