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4日目
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「…。今日はなに?」
「アップルパイです」
「ああ…そう。」
こんなコトはないだろうと思っていた昨日の自分をぶっ飛ばしたい。
今日はアップルパイか。気が遠くなる。でも断れないし、僕は引きつった口元を隠すようにタバコに火をつけて、「ありがとう」と言う。
まさかこれ、一生続くんじゃないの。どうしよう、頭を抱えるレベルなんだけど。そもそもこんなにケーキ献上して大丈夫なの?いつもお会計はコーヒー一杯分だけだし。
「ねぇ、いいわけ?こんなことして」
「いいんです!大丈夫です!それよりとても細いですけど、ご飯食べてるんですか?」
「え?あー、一人ぐらしだしなぁ」
「…好きな食べ物ってあります?」
好きな食べ物?食にあんまり関心がないんだよね。コーヒーとタバコあったら生きていけるしなぁ、と思いながら、今食べたいものを考える。肉、野菜、魚…あー、全部最近食ってないもんだわ。バランスよく食えるもん、ってなんだ?
「チンジャオロース」
あ?チンジャオロースって魚入ってたっけ。わかんね、まあいっか。なんでも。チンジャオロースと答えたら、光村くんは真顔になってしまった。え?なんでそんな顔すんの。
「そ、うなんですね。あ、俺仕事戻ります」
「うん、がんばんなよ」
以外と仕事覚えんの早いのかなぁ。二日前のわたわたしてた姿が嘘みたいにテキパキ働いてる光村くん。成長はやいっていいねぇ。
…さて。このアップルパイ、どうすっかな。さくさくした生地をフォークでぶっさして口の中に押し込む。…甘。次は断ろう。
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