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8日目
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てかさ。やっぱあのあとも考えてたんだけど。いくら貰い物だからって、開けてもないのにピアス渡されて、あんなに喜んで、簡単に耳開ける!なんて言っちゃうあの子、やばくない?
光村くんて、ノンケ…なのかなぁ?
はあ、と小さくため息をついたら、店長がそんな僕に気がついたようで、ぐっと肩を組んできた。ちょっとやめてください暑苦しい。
「なーんて顔してんだー?販売する側の顔じゃねぇぞ。」
「人相悪いってことですか。」
「そーいうことです。」
「ひっでー。気にしてんのに。」
「で、なにがあったんだ?」
この人は凄く、目ざとい。さすが店長と言ったところか、ほんとに些細なことでも直ぐに気がつく。
…店長に話してみっかな。
「あのですね。僕のいきつけのカフェの店員くんに、チンジャオロー…まあ、話せば長くなるのでここはカットしますけど、おかずを作ってタッパーに入れて貰ったんですね」
「……おう」
「で、お返しにピアスやったんですよ。新作の、アレです。スタッズのやつ」
「おー。んで?」
「めちゃくちゃ喜んでくれて。ほんと喜んでくれて。でもね、そのあとなんて言われたと思います?」
「やっぱ貰えません、とかか?」
「まーその方がよかったですよ。…開けてないんですって。ピアス」
「うわ、失敗したな、お前」
「でしょ?だから僕、別のもんにして返すわって言ったんですね?僕おかしくないですよね?」
「おお、おかしくないな。」
「じゃあその子ね、『あ、いいです、開けます開けます』って言ったんですよね、…おかしくないですか?常連客におかずつくってきて渡してくるだけでもおかしいのに、お返しに貰ったピアスのために耳開けるんですって」
「それ、男、だよな?」
「男ですね」
「お前に惚れてんじゃね」
「ですよねー」
「ゲイじゃね」
「ですよねー」
店員は、まあ頑張れ、といって肩をぽん、としてきた。いやいや、そんな悟ったような顔をされても。
あの子、やっぱゲイなのかなぁ。僕はバイだから偏見はないけどさ、似たようなもんだし。ゲイだとしたら、僕はどうしたらいいんだろう。
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