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二度目の朝 …3
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シャワーを浴びてすぐに、小栗さんはホテルへと帰ってしまった。
どうやら、今日中に九州に戻らねばならないらしく、ホテルのチェックアウト時間を気にして出て行った。
チェックアウト、間に合ったかな?
本当は、もう少しのんびりしたかった。
でも仕方ない。
仕事で来てたんだし、忙しい合間をこうして会いに来てくれたんだ。
昨夜の事を思い出すと、自然と頬が緩む。
「へへ」
昨夜は(今朝もだけど…)声が出ないようになるべく我慢したつもりだったのに、ちょっと喉が痛い…
そんなに声、出したかな…
喉の痛みすら、昨夜の情事を思い出させる。
ふと、去り際に言われたことを思い出す。
小栗さん「俺も、次に会う時までに、勉強しないとなー…」
俺「勉強?」
小栗さん「そうだ。もう自分にバイブとか入れようとしないでね?」
俺「えっ?……でも」
小栗さん「一番最初に入れるのは、俺のが良い」
そう言って、俺をきつく抱きしめてキスをして出て行った。
「ふふふ」
誰も見られていないのを良いことに、枕を抱えて、一人悶えた。
小栗さん、勉強って…俺の為に、だよね?
小栗さんも、男同士の動画とか見るんだろうか…全く想像つかない。
うわーー。
それに「一番最初」って……キャー!!
カッコよすぎる!もう、なんだあの人は!!
また、二人で会えるんだ。
嬉しい。
その時は…
「えへへ」
あぁ、今の俺、完全に変態。
その日の夕方に"無事に帰り着きました"と、小栗さんからメールが入った。
こんな些細な報告でも、小栗さんと繋がっているのが嬉しい。
そう。憧れの人が、とても近くにいる。
この時俺は、小栗さんの事を無理矢理「憧れの人」と言う括りに入れようとしていたと思う。
本当はそれだけじゃない自分の気持ちに、答えを出すのが怖かったから。
どうして会うとドキドキするのか、どうしてメール一つで嬉しくなるのか。
理由は分かっていたのに。
答えを出したら、この関係が終わるような気がしたから。
だから、その気持ちに気付かないように、俺は一生懸命にそこから目をそらした。
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