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週末ドライブ …3
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「陸は?兄弟は?」
…ハッ!しまった。不埒な妄想を始めるところだった。
「うちは、2つ下に妹が一人います」
「へぇ。…あぁ、それであきちゃんともあんな風に仲良くやれるんだ?」
一瞬、雅治さんがピリリとした気がした。
アキちゃん?
「え?…あの…その…」
「フッ…ごめん。俺、いつからこんなに気にしいになったんだろうな?陸の事となると…なんか色々気になって」
もしかして、ヤキモチ?
「あのっ!秋吉とは本当に何もないです!大丈夫です!俺、雅治さん一筋ですから!!」
俺がそう言うと、また一瞬こちらを見た雅治さんは、驚いたような顔をしてから前を向いてフフッと笑った。
「…いや、意地悪言ってごめん。でも……おかげで良いこと聞けた」
「えっ?あの…」
その時、ちょうど高速入り口に着いて、カーナビが指示を出す少しの間、会話が止まった。
高速に乗ってしばらくしてから、雅治さんが「ん」と、俺の腿の上に手を置いてヒラヒラさせた。
…これは、手を握れってこと?
そっと手を握ると、ギュッと握り返してくれた。
「俺も、陸一筋だよ?」
「~!!」
もう!!
そんなちょっと照れた感じで言われたら、こっちも照れるんですけどっ?
うう…
雅治さんたら…
「あ、そう言えば。河野さん…なんですけど…」
「…は?河野がどうかした?」
雅治さんがまたピリッとした空気を出した。
河野さんのこと、やっぱりまだ怒ってるのかな?
「いえ、あの…先日、河野さんから電話があって、俺たちの事を聞かれたから、付き合ってるって言っちゃいました。…ごめんなさい。言ってよかったですかね?」
雅治さんが少しムッとした気がした。
「あ、ごめんなさい!言わない方が良かったですかね?」
「…あー、違うよ。ごめん。あいつにはもう…見せつけたし、言っても良いんだけど。俺の知らないところで、二人が仲良くやってるんだと思うと…」
わ…またヤキモチ?
なんか、ヤキモチ妬かれる事がむず痒くて…
嬉しい。
「河野さんは雅治さんに聞きたかったみたいなんですけどね?なんか聞くタイミングがなかったみたいで、俺に電話したらしいです」
「ッチ。河野め。…もうあいつのこと、無理に相手しなくてもいいからな?」
「いえ、雅治さんが気にするような悪い関係じゃないですよ。…確かにあの時は、ライバルだったですけど。今思うと、良いライバルでしたし」
「ライバル?…二人で俺を取り合ってたって事?」
雅治さんが前を見たまま少し口端を上げた。
「ちょっ…!…んー…。でもまあ、そんなところです」
反論するのも違うと思って素直にそう答えたら、雅治さんが口元を綻ばせて手をギュッと握ってきた。
「もう、ライバルとかいないから。河野みたいなやつに惑わされないでくれよ?俺はいつでも陸を選ぶから」
!!
ったく、この人は…なんでこういう事をサラリと言えるかなぁ?
カッコいいなぁ、チクショウ。
「大丈夫です。…雅治さんも、河野さんと何があったか分かりませんが…俺のために怒ったりとかしないでくださいね?」
俺もギュッと手を握り返した。
「ん…分かったよ」
そう言った時には、もうピリッとした空気は消えていた。
…良かった。
それから、目的地までお互いのことを色々話した。
誕生日とか血液型とか家族の事とか、色々。
今更だけど、何にも知らないまま付き合っちゃったよね。
でも、知れば知るほど好きが増えるから…
ま、いっか。
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