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「では、こちらにご記入頂けますか?」
アキちゃんが予約した14時ジャスト。
俺たちは、目的の「サンスポーツクラブ」の受付カウンターにいた。
見学の旨を伝えると「もしよろしければアンケートにご協力ください」と言われて、名前や電話番号、何でこの施設を知ったのかとか、DM送って良いかとか、そういう簡単な質問に答えた。
「アンケート、ご協力ありがとうございます」
そう言って対応してくれているのは、感じの良い若い男性スタッフさん。
受付カウンターにはもう一人スタッフがいて、これまた感じの良さそうな若い女性スタッフさん。
…この人…とは想像出来ないな。
「こちらを知ったのは、えーと…ご友人の紹介なんですね。…こちらに通っていただいている方ですか?」
「あ。はい。でも…通うとなったら、その人には秘密で通いたいので…」
スタッフさんの質問に、アキちゃんが答えた。
「なるほど。分かりました。では、簡単に施設の説明から始めます」
受付カウンターの隣の休憩ラウンジで、簡単な説明を受けてから、館内を案内してもらうことになった。
それにしても…ジムってもっと汗臭いイメージだったけど…ここはホテルの一角みたいな雰囲気でビックリ。
それから、ジム、サウナ、プールなど、説明を受けながら一通り見て回った。
日曜だからか、結構人が多い。
女性よりは男性が多い気がするけど、年齢も様々。
ジムのトレーナーらしい人も見てみたけど、特に目立つような事はない。
スタッフは皆、お揃いのウエアを着ていて…変な話、色仕掛けしそうなスタッフは見当たらない。
アキちゃんは、本気で通う気なのか、すごく真剣に色々見ていた。
途中で「ジムのトレーナーさんが着く場合、相手を指定できるんですか?」って質問してた。
重要な質問、ありがとう。
スタッフの答えは「特別な事情がない限り、トレーナーの指定はできません。男性には男性を、女性には女性のトレーナーが着きますよ。安心してください」だった。
なるほど…
特別な…美人なトレーナーに付いてもらってるっていうのも、無し?かな?
とにかく、ここまでで、何か気になるような事はない。
最後は、今日の一番の砦と言っても過言ではない「スタジオ」だった。
そこで、太極拳などのレッスンが行われている。
「太極拳に知り合いが通っているから、バレないように見たい」
と、アキちゃんが言ったら、あっさり了解してくれた。
たまに、そういう人いるんだって。
スタジオに向かう階段に差し掛かったところで、案内のスタッフが「あ、ちょっとすみません」と、携帯を取り出した。
着信があったみたい。
俺たちに背を向けて、話しだす。
「はい、鈴木です。…はい。…はい、後はスタジオです。…え?…階段のところですが?…え?」
通話が終わったのか、その人は携帯を耳から離して首を傾げた。
「あの…すみません。今から店長がこちらに来るそうで…。少しお待ち頂けますか?」
「あ、はい」
店長?
なんだろう?と思っていたら、下の階から、颯爽と一人の男性が現れた。
ザ、ジムのトレーナー!って感じの、程よい筋肉、程よい日焼け具合の、爽やかな感じのスタッフさん。
階段を駆け上がって来たのに、息一つ切れてない。
「店長、どうされたんですか?」
店長と呼ばれたその男性は、俺たちを見てニコッと笑った。
笑うと少し子供っぽくなるその笑顔は、裏表のない感じで、あ〜店長さんね〜と納得させてしまうような魅力を持っていた。
「突然、申し訳ありませんが…佐藤、陸さんって…」
そう言って、店長さんが俺を見る。
え?と、アキちゃんと顔を合わせる。
「えっ、と…佐藤は僕ですけど…」
そう言うと、店長さんは俺を上から下まで見て
「…アリ…」
と、真顔で一言言った。
え?あり?
どういう事?
「あ、突然申し訳ありません。私は、ここの店長の山田と申します」
俺が首を傾げると、その人は先ほどより人懐っこい笑顔を俺に向けた。
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