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飲みのお誘い
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二回目の、S電機での打ち合わせがあったのは、水曜日の午後だった。
前回と同じメンバーで、こちらからの質問をメインに行われた。
松井さんは、以前みたいに途中で雅治さんに質問したりしない。
社会人らしくなってきたのかな?
それとも、課長さんがいるから、遠慮しているのだろうか?
とにかく、仕事中に嫌な気分になることはなかった。
ま、俺自身、心に余裕も出来たしね。
打ち合わせが終わってすぐに、佐々木さんは「ちょっとごめん」と言って、渡辺課長さんと二宮課長さんと一緒にタバコを吸いに行った。
そう言うコミュニケーションも大事だと分かってるので、笑顔で見送る。
さてと、俺は受付横の自販機でも行こうかな?と会議室を離れようとした時
「佐藤さん!」
と、河野さんから声をかけられた。
「なんですか?」
「ね?もし良かったら、今日飲みに行かない?」
河野さんが小声で言った。
「えっ?」
…あ!そう言えば、この前そんなメッセージをもらったけど、あれは社交辞令じゃなかったんだ!
そう思うと嬉しくて、思わず「良いですね!」と元気に返事をしてしまっていた。
「何の話ですかっ?」
「!?」
振り返ると、松井さんと雅治さんが立っていた。
しまった…まだ二人がいたのを忘れて、大きな声で返事をしてしまった。
雅治さんは、ちょっと怪訝な顔をしてる。
「何でもない世間話よ?…では、佐藤さん、お疲れ様でした。宜しくお願いしますね?」
「あ、はい!今日はありがとうございました!失礼します!」
河野さんはニコリと微笑んで、颯爽と去って行った。
「佐藤さんは、河野さんとも仲が良いんですね」
河野さんを見送った松井さんがそう言った。
「え?あ、あぁ、前回のジョブでご一緒させていただいた時に良くして頂きました」
「へぇー。そうなんですかぁ♪」
松井さんが何かを考えるように再び河野さんの背中を見た。
松井さん、河野さんのこと意識してるのかな?
やっぱり、雅治さんの…ライバルとして?
二人と別れて自販機横のベンチに座ったところで、河野さんからLINEが来た。
"お疲れ様。今日、どうする?うちは定時退社日だから、18時にはこちらを出れます。
佐藤さんは一度、社に戻るのよね?家はどこ?どこか良いところで待ち合わせましょう"
それから、2、3やり取りをして、河野さんとの待ち合わせが決まった。
あ、雅治さんはどうしよう?
誘っても良いのかな?
でも、河野さんの方から誘われたんだし…それにもし、雅治さんの事を聞いてもらうなら、雅治さんはいない方がいいのかな?
…なんて悩んでいたら
"小栗くんには、私から声をかけておくから"
って来た。
そっか。
まぁ、秘密で河野さんと二人で会うわけにもいかないし。
それに、雅治さんと松井さんの事は…ヤマさんのお陰でだいぶ俺の中で整理できたしね。
そう言えば…
男同士で付き合ってる時、女性と二人で会っても、男性と二人で会っても、浮気になるんだろうか?
ま、相手によるんだろうけど。
俺だったら…
雅治さんが男と二人で行く分には気にならないけど、女の人と二人だったら嫌だなぁ。
雅治さんは、どうなのかな?
今度、聞いてみよう。
あ、河野さんが伝える前に、俺からも雅治さんに連絡しなきゃ、と思って雅治さんにLINEを送った。
それから、すぐに佐々木さんが戻ってきて、俺たちはS電機を後にした。
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