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【番外編】秋吉菜々子の観察眼 …4
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6月中旬の土曜日。
快晴!
今日は、佐藤さん達へのサプライズの日だ。
服装を悩んだけど、別に誰かとデートする訳じゃないんだから…と、動きやすさ重視でシャツとチノパンにした。
バッグは斜め掛けが便利だよねー。
けど…逆ナン対策員として働くなら…
と、直前に思い直して、可愛めのトップスと細身のジーンズに慌てて着替えた。
髪をサイドに緩く編んで、パールが揺れるピアスも付けよう。
バッグも可愛いブランドの物。
よし。
誰かの彼女としても大丈夫!
…ん?
そう言えば、私はどんな立場であの3人の中に立てば良いのだ…
何て、つまんない事を考えていたら、スマホのアラームが家を出る時間だと教えてくれた。
「あ!もうこんな時間!」
慌てて家を飛び出て、山田さんと待ち合わせの場所へと向かった。
うちの近くの駐車場のあるコンビニ。
どうやら、山田さんが車で迎えに来てくれるらしい。
ちなみに佐藤さん達とは、現地集合する。
コンビニに着くと、駐車場には白のBMWが一台停まっていた。
中に誰かいる?と覗こうとしたら、運転席のドアが開いて、中から山田さんが出てきた。
「あきちゃん!」
ニコニコと私に手を振ってくれる。
「おはようござます!すみません!お待たせして!」
山田さんのそばに駆け寄ってペコリと挨拶した。
「おはよー。いや、今来たところだし、待ち合わせ時間より前じゃん?あ、あきちゃん、今日いつもよりなんだか可愛いね!」
「えっ?あ、ありがとうございます」
突然褒められて、頬が赤くなるのを感じた。
こんな風にサラリと褒めるなんて、山田さんって、慣れてる感じがする。
ま、見た目も性格もモテるだろうし、遊んでるのかなぁ…
ちなみに服がシャツにチノパンだ…被らなくて良かった!
180近い?身長で細マッチョな身体に、質の良さそうなシャツが良く似合っております。
「コンビニ、何か買う?」
「いえ、大丈夫です」
「じゃ、乗って?」
山田さんが、サッと助手席に移動して、ドアを開けてくれた。
さすが、スポーツジムの店長さんだ。
身のこなしが軽い!
「ありがとうございます…」
私が乗り込んだのを確認すると、ドアを閉めてくれた。
うっ。
こんな扱い、慣れてないから、なんか緊張する!
運転席に乗り込むと同時に、山田さんがスマホを取り出した。
画面を見ながら「あれ、早えな」なんて言いながら、スマホを耳に当てる。
誰かからの着信かな?
「おーす!」
そうスマホに言うと、私に向かってニコッと微笑んで「オグ」と口パクした。
「あー。早いじゃん?え?いや……わーった!わーったから、りっちゃんに変わって。…え?そりゃ、りっちゃんへのプレゼントだからだろ」
やり取りから察するに、小栗さんはご機嫌斜めなのかな?
ま、山田さんは「朝9時に二人で車乗って電話」とだけ伝えたらしいから…そりゃ不満もあるか。
「あっ!りっちゃん?おはよ!…うん!誕生日おめでとう!っつー訳で、今から俺のプレゼント言うね!じゃ、ナビの検索画面起動して!うん、オグの車に付いてるっしょ?…うん。じゃ、住所言うから、今からそこに集合ね〜!…いい?千葉県…浦安市…○○…え?うん。そうだよ?……」
テーマパークの住所を伝えると、山田さんが黙ってしまった。
とりあえず、佐藤さん達は住所で目的地がどこか分かっただろう。
そこに何か問題があるのだろうか?
「…うん。知ってるよ?でもさ、行ってみたくない?オグと。…ね?パレード一緒に見たり。…うん。それは大丈夫!俺らも一緒に行くから!え?あ、そうそう、今隣にあきちゃんもいるよ!…うん。一緒に行って、二人のこと守るから!二人は安心してイチャイチャ…え?」
んん?何か揉めてる?
山田さーん!大丈夫かな?
「あ、オグ?いや、考えてもみろよ。こんな機会ないと、夢の国デートなんてなかなか出来ないだろ?な?それに、二人が行かないなら俺、あきちゃんと二人で………お、そうか?んじゃ!現地で!」
んん?
どうやら小栗さん達は納得してくれたらしい。
通話を終えた山田さんは、嬉しそうに「しゅっぱーつ!」と、車を発進させた。
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