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2週間後
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あの日。
黒咲さんに助けられたあの日から2週間が経った。
「おはようございます。」
あの日以来はるへのいじめはなくなった。
黒咲さんのおかげ。何もかも。
》…黒咲さん。
俺はいつのまにか……。
「うっす。はえぇな。毎日毎日。」
「そうでもありませんよ。」
黒咲さんのことが好きになっていた。
あれからずっと一緒にいる。
はると黒咲さんと3人で。
とても楽しい平和な日々が続いている。
ずっと気持ちを隠していればこの平和な日々がずっとずーっと続いていくと思っていた。
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「遅くなっちゃった。」
いつもは3人で帰っているけれど今日は先生に僕だけ捕まり何故か先生の手伝いをさせられたため、僕は一人で帰っていた。
》…黒咲さんと帰りたかったな。
僕はほんとに黒咲さんが好きみたいだ。
男同士なんてありえないと思っていた。そんなのあるわけない。
でも、違った。あるわけなくなかった。
まさか自分が男を好きになるなんて。
》黒咲さんは優しいから。
きっと告白しても気持ち悪がらずに受け入れてくれる。
そう信じてる。
でも、言えない。言ってしまったら今の関係が崩れてしまう絶対に。
ガサッ
僕は小さく体を震わせる。
今は夜の七時。夏に近づき明るくなってきたとはいえもう薄暗い。
小さな物音でさえ怖い。
》情けない…男なのに僕。
黒咲さんに頼りすぎるのもダメだとわかっている。けれど黒咲さんのような力は僕にはない。
》それに…臆病だし。
ガサッガサッ
物音がやけに近い。
近くに誰かいるのだろうか。
だんだん怖くなってくる。足取りが重くなる。
「…っ。」
歩くペースを上げ僕は無事家に着いた。
と、思っていた。
物音は途中でしなくなり安心していた。
僕はほっと一息つきながら部屋の鍵を開ける。
僕は一人暮らしをしているから一人だ。だからこそ怖い時もあるけど。
僕はドアを開け、自分の家に着いた事を確認してようやく落ち着く。
だが落ち着いたのもつかの間。
誰かに勢い良く背中を押され玄関に倒れ込む。
》えっ!?何!!!
僕の視界を遮るように誰かに布で目隠しをされた。
「ちょっ!!何するんですか!?離してください!!」
僕は怖くなって必死に抵抗した。が、鼻の近くに何かを当てられる。
「なっ!」
》なにこの臭い。
ガチャンとドアの締まる音がしたと同時に僕のお腹に激痛が走った。
「あっ…かはっ。」
僕の意識はそこで途切れてしまった。
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