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黒咲叶翔の過去
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「何度言ったらわかるの!?もう風邪引かないでって言ったでしょ!!」
鈍い音が何度も部屋に響く。
「どうしてあんたはそんな風に育っちゃったの。私はそんな風にした覚えはないわ!」
「ったくこんなに手がかかるならあんたなんか生まれなきゃよかったわ!」
体中にビリビリっと痛みが走る。
》……。
「ごめんなさい。」
「謝ったって嫌よ!あんたの事私は嫌いなの。あんたは私のお荷物よ!あんたなんかいなければよかったのよ!!」
「ごめんなさい。」
「うるさいわねぇ!」
さらに音が激しくなる。
「ったくほんとあんたの顔見てるとイライラするわ。」
「……ごめんなさい。」
》……謝る事しかできないんだよ俺には。母さん。
わかっていたじゃないか。
》小学生ん時?いや…もっと前…か?
俺の居場所なんてどこにもないことを。
いつになっても胸の痛みは増すばかり俺には何もないんだ。ただ嫌で逃げて、仲間集めて裏切られて。また逃げて。一匹狼のふりして強がって。
結局上辺だけだった。中身は何もないからっぼの弱虫なんだ。強くなりたいと願っていたのに、強くなったのは上辺だけで頼れる人なんていなくて心はずっと弱いまんまだった。
泣きたくても泣けなくなった。
涙なんてとっくに出なくなっていた。
いつもそうだった。
一人。
その孤独感だけが俺を襲っている。俺をつきまとっている。
でも、外だけでも強くなりたかったのは、母親からの暴力が怖かったからだ。
零には絶対に知られたくない。
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