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風邪・5 黒咲叶翔side
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「…ん…。」
「黒咲さん!よかった…。」
目を開けると見慣れた白い天井が見える。
》保健室…。
「黒咲さんっよかったです。先生に言ってきますね!」
零はドアへ向かおうとする。俺はそれを引き止めた。
》…行かないで。
「先生に言わなくていいから…ここにいろ。」
声はさっきよりも出るようになっている。
「だめですよ!それにそんなふらふらでは家に帰れませんよ?連絡入れてもらいましょう!」
》…連絡…?
頭の回転が遅い。
熱がかなり回っているようだ。
「連絡ってどこに。」
「…?どこって黒咲さんのお母さんにですよ?」
》……母さん!?
俺の体が反射的に震え出す。母親という言葉に反応するかのように。
「黒咲さん?」
「嫌だ。やだ。行くな…ここにいろ。」
》母さんに連絡なんてしたらどうなるか……殴られる…!
『次に風邪を引いたらただじゃおかないよ。』
その言葉を放った母さんが手にしていたのは金属バッドだった。俺は零の袖を強く握った。
》殺される…。
「れ…ぃ……いくな。」
今までにないくらい小さな声で言った。零は目を見開いていて驚いていた。
》母さん……嫌いだ。
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