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初めて知った
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》母親が怖い?どういうこと?
「黒咲さん……詳しく話してくれませんか。」
僕は黒咲さんの頬に触れる。黒咲さんは今まで溜めていたいろいろな感情を吐き出すかのように涙を落とし始めた。
「あ…うっ……ん、んっ…。」
》黒咲さん…。
黒咲さんは下を向いたが、小さな声で話し始めた。
「俺っ…お、れ…小さい時…から、母さんに…虐待……だから…母さ、嫌いで、今も……虐待受けて…だから……お…れ、家に、帰りたく……ヒック…な…い。」
涙声で鼻をすすったりして聞き取りにくかったけど僕は一生懸命話す黒咲さんを見つめた。
「お、れは……強く、なりたかっ…た……強く、なって……母さ、んに…見返して、やりたかった…けど、強くなったの…は、外だけ、で……俺…っ…うっくっ…俺…友達とか、も、作れなくて…っ…んっ……誰に、も……助けっ…た、すけ、て…もらえ…なくて…俺……もう、死んじゃったら…いいって……だから…お前がっ……っ…死のうと、して、る、時…自分…と、重ねた…んだ。お前、を助け、れば…友達が、でき、る、し……俺自身も……助けられ、る、んじゃないかっ……て。」
》黒咲さんっ……。
僕は胸が苦しかった。
僕が辛い時黒咲さんはいつも励ましてくれた。でもその裏でいつも辛い思いをしていたんだ。誰にも話せなくて、誰にも助けてもらえない虐待という現状を。
ずっとずっと隠していたんだ。
「だか…ら。」
僕は何かを言いかけた黒咲さんを抱きしめた。今は何も言わなくていいって伝えたかった。
「黒咲さん。ずっと、どんな気持ちで僕を励ましてくれてたのですか?ごめんなさい。僕は何もわかっていませんでした。黒咲さんの事。今も無理矢理言わせてるようなものですよね…ごめんなさい。落ち着いたらまた話してくれますか?」
黒咲さんは僕の言葉に首を横に振ったり縦に振ったりして返事をしてくれた。
『大丈夫。もう、泣いてもいいんだぞ?」
「黒咲さん…もう、泣いてもいいんですよ?」
前に黒咲さんが僕に言ってくれた言葉。僕はあの言葉に救われた。だから今度はこの言葉で僕は黒咲さんを救う。
「ぁ……うぁ…っ…くっ……う、あ……うぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁ!」
黒咲さんは子供のように泣き始めた。
今までの分黒咲さんは泣いた。
声をあげて。
》黒咲さんがこんなに苦しんでいたなんて……。
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