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急な転校生3 黒咲叶翔side
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「…んっ……。」
「あ!気がついた?」
優しい声が上から降ってくる。
目を開けると白い天井と一緒に彼の顔が視界に入る。
「…ぁ……。」
「良かった!保健の先生いないみたいだったから、君の友達が場所を教えてくれたんだ。まだ転校してきたばっかりで学校はじめてだったかは場所がわからなくてさ…。」
彼はにこっと笑って俺をみる。
素直にかっこいいと思った。
上半身をゆっくり起こして彼の顔を見て言う。
「……あ、ありがとう。」
「うん!あ、俺は天宮暁(あめみや きょう)よろしくね叶翔っ。」
暁は優しく笑顔をつくり俺を見ていた。
「な、んで…名前…。」
「ぁあ!さっき君の友達が教えてくれたんだ。」
「……友達…?」
「うん!零くんと陽翔くん!」
》…あ。
名前を聞いた瞬間俺は胸が温かくなるのを感じた。
まだ俺の事を。
零を傷つけたのに、俺の事を友達だと言ってくれている。
》……零…。
「え?大丈夫!?どこかいたいの?」
暁は急にオロオロしはじめた。俺はすぐにはわからなかった。
「泣かないで?大丈夫?」
》あ、俺……泣いてんのか。
涙が頬を伝うと同時に暁に抱きついていた。
いつの間にか大声で泣いていた。
自分が情けなくなる。
強くなろうと思っていたはずだった。
こんな、これだけの事で折れてしまう俺は弱い。
強くなんてなれない。
「ぅ…あ…うっく……ん…うぁぁぁっ…ヒック……うぁぁぁぁ……ぁ……。」
「大丈夫?息、吸わないとまた過呼吸になっちゃうよ?」
俺は暁の服をギュッと掴む。
もう泣きたくない。
泣くのは嫌だ。
負けるのはもう嫌だ。
くよくよ逃げる自分が嫌だ。
強く、強くなりたい。
》零……俺、お前を守れるぐらいの強さが欲しい。力だけじゃだめだ。俺はお前を守りたい。だから強くなる。力だけじゃなくて心も。負けない。だから、俺の事………まだ、嫌いにならないで。待ってて。
》零……待ってて。
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