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転校生がきてからさらに1週間後
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転校生は2年B組に入った。
そう、黒咲さんのクラスだ。
僕は安心した。
側に誰も居なくなってしまったらきっと黒咲さんはまた喧嘩をするようになってしまうと思ったから。
あれから1週間僕は黒咲さんと話していない。
よく暁くんといるようになった。
それを見る度に僕の胸はズキズキと痛む。
僕を見る黒咲さんの目が恐怖で満ちているのも辛い。
「……はぁ…。」
今日は土曜日。
学校は休みだから黒咲さんに会わなくてすむ。
だんだん会うのも辛くなる。
見かけるだけで心臓がズキズキする。
だからこそ強くならないといけない。
「…はぁ。」
部屋で1人今日何度目かのため息をつく。
そしてふと、机の上に割れた小瓶の破片を見つけた。
「……これ、媚薬入ってたんだよね。黒咲さんに使ってみたくて。」
僕はそっと小瓶の破片に触れる。
「……っ!」
指の先から紅い血が出てくる。
破片の先が指に刺さったのだろう。
》…血………。
絆創膏を取りにダイニングへ向かう。
「絆創膏…確か……この辺に。」
救急箱をみつけ絆創膏を取り出す。
何も考えずに後ろを振り返る。
そこはあの日の事件があった場所。
ぐちゃぐちゃになった床。
火照った顔で倒れている黒咲さん。
そして小瓶の破片。
》……あ。
》僕はまたやってしまったのか。
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