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涙 黒咲叶翔side
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「ぁ……零……目をぁけろ……零………目を覚ませ…れ、ぃ……。」
俺は近くにあったタオルで零の太股の止血をしようとする。
が、血の量がおおすぎてタオルがすぐに赤く染まる。
》血を止めないと…。
「暁!タオル!!」
俺は外で電話をしていた暁に声をかける。
相変わらず青白い顔をしているが、先ほどよりは落ち着いている。
「救急車もくるから!!」
「うん、ありがとう。暁、ここの奥に洗面所があるんだそこからタオルを持ってきて!たくさん!!」
「わかった!」
俺は零の隣に膝をついて座り、零の息を確かめる。
》……息、してない。
「零…死んじゃだめ…だ………死ぬなんて許さない。」
俺は零の唇に自分の唇を重ねる。
零は息をしてくれない。
「零!零!!零!!」
》息をして…お願い……。
俺は視界が揺れているのがわかる。
涙だ。
俺は泣いているんだ。
「…零……お願い、死ぬな…。」
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