アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
前にも言っただろ 黒咲叶翔side
-
あれから俺と暁で交代しながら止血と心臓マッサージをして救急車を待っていた。
「零!!起きろ!!」
暁はすごく顔色が悪かった。
けど、零のために止血や心臓マッサージを手伝ってくれる。
「零!零!!」
俺は必死で零の名前を呼び続けた。
その時だった。
「うっ!!ゲホッ!!!」
零の息が、心臓の鼓動が戻った。
「零!!!零!零!零!!!」
俺は零の名前を呼び続ける。何度も何度も。
そして零はうっすらと目を開けた。
俺は零の頬を叩いていた。
「この馬鹿零!!前にも言っただろうが!!死んだら悲しむ人間がいるって!!勝手に…勝手に死のうとしてんじゃねぇよ!!!頼れって言ってんだよ!!周りを頼れよ!!!」
俺は大きな声で零に言う。
死んで欲しくない。
すると零は声がうまくでないのか、2、3回咳き込んでからとても小さな声で俺に告げた。
「…ゲホッ……ゴホッ…ゲホッゲホッ………た、よる……って………だ、れ………に………。」
俺は何も言えなかった。
俺が離れてしまった以上、零は頼る人などいなかったのだ。
陽翔はいるが、零は陽翔には心配をかけないようにしていたから言えるわけがない。
》じゃあ誰に?今の零は誰に相談ができた?
誰もいない。
かつての俺のように。
結局俺はこんなにも俺のことを思ってくれている零でさえ、見捨ててしまっていたのだ。
暁といることが楽しくて、暁といることになれてしまった。
零の事を忘れようともしてしまった。
それは裏切りだった。
零にとっては、俺が離れる事は拒絶。
周りからの拒絶を、意味していたのだ。
零はそのまま気を失い、俺は救急車が来るまでその場を動けずにいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 97