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仕返し2
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結局、仕事に没頭し過ぎてしまい、和人が帰路に着いたのは22時を回ってからだった。
20時には帰るつもりだったのに、と随分と予定が狂ってしまったことに溜息を吐き出す。
部屋のドアを開けようとして、扉に鍵が掛かっていないことに気付くと、ああ、と和人は小さく呟いた。
「鈴村、先帰ってたんだね」
扉が開く音と共に聞き慣れた男の声が耳に入ってくると、洸が視線を玄関へと向けておー、とだけ返事をする。
せっかく彼を喜ばせようと思ったのに、と居間で溜息を漏らすと洸がそれに反応した。
「随分お疲れみたいだな。ヒットメーカーさん」
「……いや、今日は先にご飯でも作って鈴村にお礼をしようと思ってたんだよ、本当は」
ソファに寝転がり、スマートフォンに視線を落としていた洸が顔を上げる。
お礼?と不思議そうに尋ねた。
和人が頷く。
それで洸はピンときたようだった。
「ああ……あの、例のやつね。大ヒットしてるよなぁ。お陰で俺も営業しやすいのなんのって」
「有難いことにね。それで、鈴村には、色々とお世話になったから…」
そこまで言いかけて、和人は口を閉じた。
こちらを見る洸の瞳が、鋭く光ったのを和人は見逃さなかった。
「それで〝お礼〟ね。…俺は飯なんて要らないけど?田辺主任」
洸がソファから立ち上がって和人の足を払い、床に押し倒す。
その動作は余りにも無駄がなく、和人が抵抗をする隙など微塵もなかった。
そのまま背中を思い切り床に打ち付け、和人がうっと呻いた。
「…お礼はアンタでいいよ」
人差し指に彼の眼鏡を引っ掛けて、苦痛に歪んだ和人の綺麗な顔を晒させながら、洸が妖しく微笑んだ。
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