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トモダチ3
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「シャワー借りるぞ」
そう言って浴室へと消えていく親友の背中を見送った後、洸はもう一度溜息を吐き出す。
シャワーを浴びて、少し落ち着けば健太の考えも変わるかもしれないと少しの期待を抱きながらソファへと腰を降ろし、彼が買ってきてくれていたジュースを手に取り喉へと流し込んだ。
このことがきっかけで、今までの関係に亀裂が入ってしまわないかも気懸りだった。
洸には割り切ることが出来ても、健太にそれが出来るとは限らない。
コーラの強い炭酸が舌の上で暴れ、その痛みに似た刺激に、ほとんど無意識のうちに眉根を寄せる。
しかし、体を洗ってから出てきた彼は、考えが変わっている様子などなかった。
洸と同じようにバスタオルを腰に巻いて、どこか緊張したような面持ちでいる健太に苦笑しながら立ち上がって彼の側へと近付く。
「健太。俺に任せてお前はベッドに寝てるだけでいい」
思ってもみなかった洸の言葉に健太が目を丸くする。
「……え?俺が女役?」
「優しくしてやるから」
健太の、くっきりとした彫りの深い目元を見ながら洸がそう言って、ベッドへと促す。
しかし、健太は力いっぱいに首を横に振る。
「ちょっ、待った!マジで俺が下?!」
急に慌てた様子を見せる健太に、洸が呆れたような視線を向けながら頷く。
「大丈夫だって。なるべく痛くしないから」
「いやいやいや!俺が上がいいんだけど…俺のが背デカいし」
「…それは関係ないだろ」
ここに来て躊躇し始める健太を見ながら、洸はむしろそれが好都合だと思っていた。
現実味を帯びてきたであろう男同士の性行為に怖気付いてくれればいい、とすら思った。
暫く沈黙が続いたあと、健太が、少し厚めの唇をゆっくりと開く。
「…洸は、女役やったことあるわけ?」
「いや…ないけど」
健太の瞳がきらりと光ったような気が、した。
「だったら、ジャンケンで上下決めよう!それでお互い文句無しってことでどうだ?!」
文句は既に山程ある。
しかし、この状況になっても尚、退こうとはしない健太の心を今更変えることなど不可能に近い。
洸は健太の性格を良く知っていたし、一度決めたことはやり通す頑固者だということも、当然理解していた。
そんな彼を止める術など、洸は持ってはいない。
洸に出来ることは、彼の申し出を受け入れることだけだ。
「…わかったよ」
「よし、決まり。3回勝負、負けた奴がおとなしく勝った奴に掘られること!」
洸は、何度目かになる溜息を吐き出した。
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