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人間と吸血鬼の壁
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御園、変わったなー…。
学校に着いた1限目、頬杖をつきながらしみじみと考える。
『城田真昼だな?僕と一緒に来てもらう。イエス以外の返答は却下だ。』
なーんて、クロじゃないけどお坊ちゃん全開だったなーって思うなぁ。
第一印象はあまり良くないけど、家族を守ろうとする気持ちは、俺も同じだ。
今は大事な仲間だ…。
そういえば、桜哉と最近会わないなー…今ごろ何してんだろ。
大事な仲間。
その響きから連想する人の中に桜哉もいた。
たまにしかこないけど、また桜哉と笑える毎日が来たことも嬉しい。
あぁ…今日の晩ご飯何がいいかな?
クロの好きなものにしてやろう。
自然とゆっくり口角をあげながら、窓の枠の向こう側を仰ぐ。
あぁ、俺今すっごい幸せなんだな…。
そう考える事が増えて、同時にもう一つ考える事が増えた。
不老不死の吸血鬼であるクロより先に俺はこの世界からいなくなる。
まだ高校生だから、先の話かもしれない。でも、考えてしまうんだ…。
クロを置いて勝手にいってしまう俺(にんげん)。
大切な人を残していく人の気分が今ならよく分かる気がする。
やりたい事残して、まだ一緒にいたいのに動かなくて、まだ、幸せでいたいのに……。
っ‼︎‼︎
やめやめ!!
こんな事考えてたから、俺今すっごいしかめっ面なんじゃないか‼︎?
よし!夕飯の事でも考えよう‼︎
想像するのも、嫌なんだよ…。
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