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さよなら…おやすみ
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白い白いベッドの上。
青白い表情(カオ)で君は眠る。
君の時間はあの時から止まってしまったかのように動かなくて、その代わりに動くのは君の心臓を代弁した機械の音。
そっと君の手を握り込んでは、そっと僕の手を君に握らせる。
なんと虚しいことかと君は思うかな。
それでも、君が生きていると、その行為だけが実感させてくれるんだよ。
緩やかに流れる時と、絶え間なく同じ間隔をあけて響く機械音。
その間隔が長くなったのはいつだろう。
気づけないほど、僕は君を見ていたよ。
気づいた時にはもう遅かった。
…君も、疲れてしまったよね。他人なんて無粋なもの、君の最期には要らないか。
僕と君の、最期には。
「ねえ、」
君は、幸せだったかい?
僕と一緒にいて、君は幸せだっただろうか。
僕は幸せだったよ。
君と一緒にいて、何にも代え難い時間を過ごせた。
愛していたよ。…愛しているよ。
だから、
「…オヤスミ。良い夢を」
サヨナラ。
そんな寂しい、終わりのような言葉は君にかけたくはなかったよ。
だから、おやすみ。
君は、どんな夢を見るのだろうね。
ピーーー…っと、静かで長い、僕たちの閉幕の合図が鳴り響いた。
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