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あぶない男 20
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「おい、まじかよ。なんだよこのオムライスめちゃくちゃ美味え。嫁に来い。」
「俺が作ったんだから当たり前だ!黙って食え!!」
結局二人で冷え切ったオムライスをチンして食べることに。
もう20時か。飯食ったら風呂入って寝よ。
「まじで生き返る。三日ぶりの飯。」
「は?三日ぶり?」
なに、こいつ。
三日も飲まず食わずだったわけ?
「おー。ちと喧嘩しすぎてな。毒盛られてぶっ倒れてたんだわ。妖力も精力も尽き掛けててもう少しで俺完全に成仏。まじで嫁にこいよ。」
「いやだからうるせえよ!!てか精力は成仏に関係無いだろ。馬鹿みたいなこと言うな」
「いや、それがな。俺は仙狐っていう妖でよ。精気を吸わなきゃ生きていけねえんだ。」
はあ?精気を吸わなきゃ生きていけない?
「とんだ迷惑な妖怪だな」
「おい。これでも一応大妖怪の仙狐様だぞ。泣く子も黙る仙狐様だ。又の名を九尾の狐とも言う」
「はああああ!?なに、あの有名な九尾の狐だって言いたいのか!?お前が!?世も末だな!」
「そんな大口叩いてると、精気だけじゃなく血肉も喰っちまうぜ?純血だからって新米の鬼なんざには負けねえよ」
不知火さんの冷たい瞳に、一瞬背筋が冷えた。
本気で言ってるんだろうな。
俺なんか、本気で一捻りなんだろう。
不知火さんは何も言い返せなくなった俺を見て、ポンッと頭を撫でた。
「ここにいる間は、俺がお前を守ってやる。だからその間に強くなれ。お前の精気は俺が頂く。」
真剣なのかふざけていっているのか、もうわからない。
だけど、
その細められた瞳が、
大きな姿が、とても頼もしく見えた。
「...ありがとう、不知火さん」
「おう。馬鹿か?そこは銀司って呼べよ。」
「嫌です」
「呼べ」
「嫌です」
「呼べ」
「...銀司、さん」
「....っ(クッソ可愛い嫁にしよ)」
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