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夏の妖怪大運動会 7
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-銀司side-
ふらふらと覚束ない足取りで、部屋へ戻る。
微かに残る若葉の香りを追い、若葉の部屋のドアノブを握りしめる。
意識が朦朧として、指先に力が入らない。
無意識のうちに、身体が若葉を求めている。
若葉の血を
若葉の肉を
若葉の香りを
こんなにも欲している
ガチャリ、と嫌な音を立て、部屋のドアが開く。
スヤスヤとベッドで眠る若葉の横顔。
なあ、若葉
俺を助けてくれ
心の中でそう呟き、そっと若葉の髪を掻き分ける
「こんな俺を醜いと思うか」
「こんな俺を、誰が救えるだろう」
「こんな俺を、可笑しな妖怪を」
「誰が必要とする?」
それはまるで波のように
心から溢れる言葉が止まらなかった。
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