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夏の妖怪大運動会 8
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-若葉side-
「ん...」
おでこに触れる柔らかい何かが、俺の眠りを妨げる。
ゆっくりと目を開くと、辛そうな顔をした銀司さんがいた。
「...銀司、さん?」
今まで、俺の部屋になんか入ってきたこと無かったのに
「具合が、悪いんですか?」
そう問いても、帰ってくるのは沈黙のみ。
「銀司さ....んむっ..」
もう一度名前を呼ぼうとすると、そっと口付けられる。
撫でるような優しいキスに、心が揺れる。
またそうやってあなたは
簡単にキスをして
簡単に居なくなって
「んぅ..や、だ..」
なあ銀司さん
俺はあんたの何なの?
「...若葉」
熱を持った銀司さんの声が、耳を掠める。
嫌だ。
これ以上俺に触れないでくれ
こんな惨めな思い、したくない
頬に触れる手を、ギュッと握りしめる。
「...やめてください、銀司さん。俺はあんたの物じゃないんだ」
...銀司さんも、俺の物じゃないから
もうこれ以上、俺の心を揺らさないで
「...泣くな、若葉。何もしない」
泣いてなんかない。
そう言おうにも、一筋流れた涙を拭えない
掴まれた両腕が、キリ...と痛んだ。
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