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妖怪化学 2
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皆の変化に戸惑っていると、楠先生が静かに近づいてくる。
「十朱ちゃん、変化の解き方を教えるわねぇ。」
そう言われ、楠先生の方に体を向ける。
「まずはぁ、肩の力を抜いてねぇ。そしてぇ、イメージするのぉ。人間の姿で有る事を、今は忘れてねぇ」
楠先生の言う通りに、目を瞑って、肩の力を抜く。軽く深呼吸しながら、イメージをする。
本当の俺は人間じゃなくて、もっと違う何か。
そう考えた時に、体にピリッと違和感が走る。
ああ、邪魔だ。
この器が邪魔で仕方ない。
もっと大きな力があるのに。
ピリ...ピリ...と、違和感が増す。まるで小さな電気が身体を走っているような。
でも何故だか痛みは感じなくて、もどかしさだけが其処に残る。
ああ、邪魔だ。足りない。もどかしい。
その思いが頂点に達した瞬間、心臓がドクンッと大きく脈打つ。
「うぅッ」
心臓を抑えながら、唸り声を漏らす。
苦しい。嫌だ。
そう思うたびに、ドクン、ドクンと心臓が脈打つ。
そのペースは段々と早くなり、苦しさに耐えられずにしゃがみ込む。
「若葉ッ」
稜の小さな悲鳴が、遠くで聞こえた気がした。
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