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妖怪化学 7
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「何なんですか...その、死の元素と生の元素って」
そう問うと、楠先生がゆっくりと、話し出す。
「死の元素とはぁ、【死】其のものであり、生と相反する物。死の元素が練り込まれた妖術はぁ、死ぬまで相手を追い詰める。怨み、憎しみが死の元素の強さでもあるのぉ。」
「反対に、生の元素とはぁ、【生】其のものであり、死と相反する物。生の妖術は傷を癒しぃ、心を癒すのぉ。でも一番怖いのはぁ、死んだ物の魂を、蘇らせる事ができることねぇ。」
「簡単に言えばぁ、死の元素は【魂を黄泉の国へ送る力】であり、生の元素は【魂を黄泉の国から救う力】よぉ」
「...ッ」
話が壮大すぎて、全然わかんねぇよ
「困ったわねぇ、十朱ちゃん。困ったわぁ。きっとこの事は直ぐに広まってしまうしぃ、いつかあなたの命を狙うものが出てきてしまう可能性だってあるわよぉ」
「......命、?」
「...楠先生。僕たちが、若葉を助けます。若葉を助けられるくらいに、強くなりたい。....僕でも、強くなれますか?」
ずっと目を伏せていた稜が、静かにそう言った。
「...そうねぇ。力を合わせれば、助けられるかもわからないわねぇ。強くなりたいと思う気持ちは、本当に人を強くするものよぉ。でもぉ、あなた達に覚悟はあるのかしらぁ」
「...覚悟、だと?」
今度は、阿久津が口を開く。
「そんなもん、いらねぇよ。覚悟なんていらねぇ。俺は自分のしたいことをするだけだ」
グッと手に力を込める阿久津が、なんだかとても頼もしく見えた。
「ほろろ〜?なんだか楽しそうだねぇ〜!僕も混ぜてよ〜」
明るい声音で近づいてくる呼詠を、阿久津は軽く睨み、無視をする。
「まあ、そうねぇ。不和くんも居るなら、心強いわねぇ」
そう言いながら、楠先生は微笑む。
みんなの気持ちは嬉しい。
嬉しいけど、みんなを巻き込む訳にはいかない。
これは俺の問題だ
みんなを巻き込む事が
許されていい訳がない。
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