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西洋の鬼 5
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「ごめん。...だけど、やっぱり俺のこと囮にして欲しい。敵の狙いは和の鬼なんだから、きっと直ぐに彼奴らは来るだろ?」
「...そうだが、俺は反対だ」
銀司さんの気持ちは嬉しいよ
嬉しいけど、これしか方法は無いんだ
「...わかった。では若葉、君に囮をやってもらおう」
「理事長!!!!」
声を荒げる銀司さんを制し、叔父さんが言葉を続ける。
「だが若葉、死にに行くのではない。近くに腕のあるものを待機させ、何かあれば直ぐにでも駆けつけられる様にしよう。それと、俺も若葉と共に行く。皆、何かあれば必ず若葉を先に助けるように。こんな老いぼれた命より、若い者を救わねばならない」
「そんな...!」
「大丈夫だ、若葉。こう見えても叔父さんは強いぞ」
そう言って、叔父さんが笑う。
「若葉、一緒に戦おう」
叔父さんのその言葉に、気づけば了承の返事をしていた。
「誘き寄せる場所は、裏の森の泉で良いだろう。待機させる人数は、多すぎると敵に見つかってしまう。気配を消すことができ、腕の立つものを厳選したい」
「理事長、勿論ここにいるメンバーは決定だろ?」
生徒会長がそう聞くと、叔父さんは勿論だ。と頷いた。
「それと、ここにいるメンバー以外で鼻が良く効き、足の速いものを連れて行きたい。もしもの時に、この学園へ知らせに走れるものをな」
理事長の言葉に、生徒会長が反応する。
「副会長の村雲彩音と書記の古市重虎はどうだ?狼と妖狐だ。鼻も効くし、足も速い。十分に強いからもしもの事があれば、戦力にもなる」
その言葉に、理事長が大きく頷く。
「風紀委員の副委員長、雲居鉄心の存在を忘れていないか?鉄鼠の彼奴は気配を消すのも上手く、足も速い。勿論戦力にだってなる」
そう言い切る水瀬先輩に会長が食ってかかろうとするが、叔父さんがそれを止める。
「それではこうしよう。囮に若葉と私が。そして泉には水瀬くん、君が待機していてくれ。そして、不知火君、信楽君、鞍馬君。あと..そうだね、個人的な推薦で薬師寺君を周りに待機させよう。そして、雲居君、村雲君、古市君をその後ろへ待機させる。彼等の目的はあくまでも、学園へ知らせる事だ」
叔父さんのその言葉に、皆が頷く。
きっと誰も死なせはしない。
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