アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
志願兵と 11
-
最後にもう一度挨拶して、教室を後にした。
どうせあと1クラスだけだから。と言って、銀司さんは付いてきてくれるみたい。
断ったけど、あのクソ会長似合うのは正直不安だったし、銀司さんが付いてきてくれるって言うなら、黙って甘えておこう。
コンコン、とドアをノックし、失礼します。と頭を下げて教室に入る。
まるで職員室に入ってるみたいだなあ。
なんて思いながら顔を上げると、5年生の視線が刺さる。
「よう、十朱とクソ狐」
「お久しぶりです」
後ろで聞こえた銀司さんの舌打ちは聞かなかった事にして、できるだけ普通に接する。
あんな事をされたと言えど、今回のことに協力してくれているクソ会長改め朝霧先輩に、失礼なことはしたくない。
迷惑をかけてしまっているのは、俺だから。
真っ黒な髪の毛を揺らしながら、紅い瞳を細めて、朝霧先輩が笑う。
「警戒すんな。もうお前を取って食う気はねえよ」
「...はい」
「その軽率な行動のせいで度々周りに迷惑を掛けていることを忘れるなよ、朝霧」
厳しい言葉で朝霧さんを睨みつける、その人には見覚えがあった。
朝霧先輩にキスをされた後に、目があった人だ。
確か副会長の、村雲先輩。
狼なのに、彩音ちゃんな先輩。
やばい、にやけそう。
頑張れ真顔。
頑張れポーカーフェイス。
だって、こんなに真面目な顔で厳しいこと言って、朝霧先輩のこと睨んでるのに、彩音ちゃんだからな。可愛すぎるだろ。
やめろ
全然笑ってないけどやめろ。
「改めて、俺は副会長の村雲彩音だ。今回は学園を守る義務として参加した。お前には興味も何もないが、よろしく」
!?
全然よろしくする気ないだろ!!
なんて内心突っ込みながら、苦笑いでやり過ごす。
「相変わらず冷えなあ、彩ちゃん」
「ブフォッ」
笑ってないよ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
110 / 117