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- ある日の昼下がり。龍と隼人は、2人が通う高校の進路指導室にいた。「やっぱここ昼寝にちょうどいいわー。なあ龍?」色の薄い髪をかき上げながら、隼人は龍に話しかける。「…昼寝してるような暇があるなら、俺は勉強する」「相変わらずマジメだねぇ〜。そんなに頑張んなくても、龍ならまた学年トップだよ」「油断大敵ってよく言うだろうが、全く…」優等生の龍と、不良の隼人。幼なじみである2人は、昔から何もかもが正反対で、なぜつるんでいるのか、お互いにも不思議なくらいだ。「あ、そーいやさ龍」「何」「今日5月9日って何の日か知ってる?」「…さあ。なにかの記念日?」「そっかそっか〜。まあガリ勉の龍なら知らないと思ったよ〜」ニヤニヤしながらこっちを見る隼人に嫌な予感を感じつつ、好奇心に負けて龍は尋ねる。「で、何の日なの?」「5月9日はさ、告白の日なんだよ!」「…はあ?」「というわけでーっ!龍の好きな人聞き出しちゃうぜ!」「…何言ってんの」「いや、せっかくだし聞いてみようと思って。で誰?龍の好きな人」「いる前提で話進めんのやめてよ。俺はそういうのよく分かんないしどうでもいいの」「…あれ?じゃあ龍は初恋まだなの?ってことは童て…」「その先を言うなあああ!」真っ赤になりながら龍が叫ぶ。内心そのことはかなり気にしているのだ。「…ってか、俺は隼人の質問に答えたから、今度は隼人の番。隼人の好きな人は?」軽い仕返しのつもりでそう尋ねる。「ああ…俺?」そこで急に、隼人は真面目な顔をする。「そろそろ、頃合いか…」「…は?頃合い?何のこ…」「好きだよ、龍」「…え?」「ずっと、小さい頃から好きだった。言ったらこれまでの関係が壊れる、って思って言えなかった。でももう限界。龍が恋を知らないなら、俺が教える。好きな人がいないなら、俺のこと好きにさせる。お願い龍、俺のものになって」突然の展開に、龍はひどく戸惑っていた。しかし同時に、自分のある思いに気づいていた。そっと唇を開き、龍は隼人に今の思いを伝える。「隼人…急に言われてもさ、やっぱ俺はそういうの分かんない。でも…なんか、好きって言われて嫌な感じしないっていうか、別にいいかなってちょっと思ってて…」「マジで…?絶対拒否られると思ってたのに…」「なんか、付き合うとかはよくわかんないけどさ、俺、これからも隼人と一緒にいたい。…ダメかな?」龍の言葉に、隼人は嬉しそうに笑って返事をする。「今は、それで十分だよ。ありがとう、龍」
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