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□日々、バイト。
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「はよーございます」
店のバックヤードに続く扉を開け、誰に言う訳でもなくお決まりの挨拶をしたが、誰もいない室内で返事が返って来るハズもなかった。
薄暗く辛気臭い部屋を見渡して、ため息をつく。
たいてい土日の午前中はダチの親父が経営するコンビニでバイトをしている。
他の所で働きたくてもウチの高校はバイト禁止で有名だから、どこにいっても門前払いされるのがオチだ。
こうやってコネでも無ければ働く事さえ出来ない。
教室で『金がねぇ!バイトしてぇ!』と嘆く声を聞くと、コネがあるって本当にありがたいなとつくづく思う。
冴えない親父のやってるコンビニだけど、立地が良い場所にあるおかげで店はそこそこ繁盛している。
勤務時間中、ボーっとする時間がないどころか、レジ打ちや品出しに追われる事が多いくらいだ。
けど、たいして辛いとも思わないし、むしろ体を動かしてた方が時間がたつのが早く感じるから忙しい方が良い。
◇◇◇
「啓太」
部屋の隅に置かれている男子ロッカーを開けてユニフォームに着替えていると、パーテーションの向こう側から俺を呼ぶ声がした。
顔を上げると、パーテーションの隙間から手招きする眠たそうなオーナー(ダチの親父)の顔が覗く。
「なんスか?」
着替え終わって、オーナーのいるスペースへ顔を出すと、そこに見知らぬ男が立っていた。
俺が首を傾げていると、オーナーはクスッと笑って隣に立っていた男の肩に手をやる。
「今日から入ってもらう事になった、西本君だ。コンビニのバイト初めてらしいから色々面倒みてやって」
「西本です。よろしくお願いします」
そう言って丁寧にお辞儀をされて、慌てて自分も頭を下げた。
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