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「ありがとうございました、またお越しくださいませ。……次のお客様どうぞ、大変お待たせいたしました」
もうすぐ12時を回るこの時間は昼飯を求める客でごった返して、いつも慌ただしい。
今も例に漏れず、二人してレジ対応に追われていた。
西本さんは今日がバイト初日で、本来なら教育中の西本さんに一人でレジ対応させないのだが、如何せん、客入りが半端なくてレジ一つでは対応しきれなかったのだ。
一通り仕事を教えたとは言え、コンビニのバイト初体験の西本さんには正直ツライ状況だと思う。
やっぱり不安だろうな、と心配になって様子を伺っていたが、思いの外そつなくこなしている西本さんの姿に目を見張った。
(スゲェ……)
不安どころか、西本さんは客に笑顔さえ見せている。
物静かで大人しそうなのに、意外と度胸がある姿を見て、鼓動がドクンッと大きく跳ねた。
「あのさ、俺、急いでんだけど」
「えっ、あ、スミマセン!」
レジの最中なのに、思わず西本さんに見入ってしまっていた。
痺れを切らしてイライラしている客に慌てて謝ると、急いで商品を袋に詰め込んだ。
その時からバイトが終わるまでの間中、激しい胸悸に見舞われて、普段では有り得ないミスを連発して何とも無様な姿を晒してしまったのは言うまでもない。
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