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ポジション的な不満(和臣side)
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かずちゃん、だなんて。
あの子は言うけれど。
*
「和臣ー、お前アレだろ、確か2年の生徒会長と仲よかったろ?つーか、生徒会役員だろお前。」
「ええ、そうよ。何かご不満?」
「そうだよ。アレだよ。なんでこの学校にはさ、『美人赤メガネ女教師』が赴任してないのかっていう、とっても自然的な俺のご不満だよ。」
「あら、ただの個人的なご不満じゃないの。じゃあ、私も『ダンディな黒縁メガネのイケメン教師』がいいわ。…まぁ、今の花田先生も可愛いからいいけど。」
「うえぇ、これ以上男が増えたら地獄じゃんかよ。ただでさえ男子校なのによ。和臣に相談した俺が馬鹿だった。…あーあ、藤堂に相談しよ。なぁ、藤堂ぉー。」
そういって、隣の席のクラスメイトであり、きっと、この物語のモブ的存在、いや私が彼を語る時点で準レギュラー的存在な彼。
倉木誠(くらき まこと)は藤堂の方を向いておしゃべりを始めた。八重歯が見えるほどの気持ちのいい笑い方。
これでも彼は、風紀委員会副委員長なのだけれど、いろいろと心配。
目を離すと何かをやらかすトラブルメーカーね、彼。
まったく。
手が掛かるのは会長だけで充分だわ。
ていうか、
「ねぇ、マコちゃん。私のことは『かずちゃん』でいいって、言ってるじゃないの!」
「うぉぅっ?!…いだだだだだ、いてーよ!!和臣!!!頭ぐりぐりすんの止めろ!…おい!助けろ!藤堂!!」
言うことをなかなか聞かないのよね、マコちゃんは。
言うこと聞かない子は頭ぐりぐりの刑です。
「いてぇって、和臣ぃ!…つか、忘れてたけど和臣は行かねえの?」
「何よ、サボり魔副委員長」
「なにそのネーミングセンス。…あれじゃん、転校生来るじゃんか一つ下の。」
マコちゃんはきっと、昨日理事長が言ってた子のことを言っているのかしらね。
キラ…?みたいな名前の子。
ていうか、その子。
ちょっと《ワケあり》ぽかったわねぇ。
《特別燈燐枠》ねぇ…。
なーんか、ヤな予感。
なにか起こりそうね。
「まぁ…どっちにしろ、この学校はあんた達、風紀が守ってくれんでしょ?」
「おうさ!だって俺が副委員長だもん!」
マコちゃんはふんぞり返った。
一体、どこからくるのよ。その自信は。
風紀が何しようと、転校生が何を起こそうと、理事長が何をしようとも。
頼むわよ、会長。
結構、頼りにしてるんだから。
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