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彼は、心が広い①
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「あ、会長。」
ばったり、廊下の角で会ったのは、運命の展開とか、ホモとか言うわけでもなく、春原だった。
どうやら、転校生はいないようだ。
「春原じゃん。…あれ?転校生は?」
「あ、理事長に呼ばれて、今は理事長室で理事長と楽しくお茶してるとこだと思うよ。」
ということは、今ごろ、この学校のシステムについて説明され、さぞかし驚いてる頃なんだろうな。だって、俺の知ってる学園BLモノは、そんなんばっかだもの。
何を隠そう。
この燈燐高等学校は、学校内のシステムが非常におかしい。
それは生徒会選挙のときも同じではあったが。
まず、最初に述べるならばこの学校のトップは理事長と生徒会会長である。ということだ。
しかも、生徒会選挙はほとんど人気投票なので、なおさらおかしい。
まぁ、その人気投票のおかげで俺が生徒会会長になれたんだけど。
挙げると、たくさん出てくるし、暗黙の了解的なのも含めると今のページでは語りきれないので、悲しくも割愛させていただこう。決して、こちら側の都合ではない。決して。
「なるほど。」
「急にどうしたんだろ、会長。壁に向かって喋り始めたよ。」
「あ、言うの忘れるところだった。…春原、仕事サボってゴメンな。どうしても転校生が我が校に抱く第一印象とか、インパクトとかを見てたかったんだよね。決して、ホモホモしい展開とか望んでないから、決して。」
「あ、そっか。」
見え見えな俺のとってつけたような理由を「あ、そっか」で流せる春原様ありがとうございます。懐が深いなぁ。
「やっぱり、春原様はお心が広いお方でございますね。」
「やだ、会長の敬語。気持ち悪い」
あ、ひどい。
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