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カワイイおれ
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「真姫、帰ろ」
「…うーん」
「なに、崩れた?」
「ちょっと、なんかイヤ」
朝はあんなにバッチリだった盛りヘアがなんだか気にくわない。なんかやったっけなーとトイレの鏡を見ながら手を動かす。あ、そういえば屋上で思いっきり寝てたわ、五時間目。しかも大の字。それかー。
「せっかく俺スペシャルヘアにしてやったのに」
「ごめーん、もっかい直して?」
金取るからなと持ってたスクールバッグを背負うように両肩に掛けて腕まくりをした。
きゃーケンケン優しい。おれにはとことん甘いお世話係だ。うんうん。
「なにがいー?あ、あそこのケーキ屋いこうよ」
「聞いといて決めんな」
「まあまあ、いーじゃないの」
イケメンヘアも復活してウキウキなおれ。かわいくね?だれかーこんな可愛くてかっこいいおれ、拾ってよー。できれば、綺麗な年上お姉さんがいいなー。色々やってくれそうだし、自由ききそうじゃん?
「なに食べよっかなー」
「おまえはイチゴだけな」
「あーイチゴも食いたい」
ゆっくり歩く建にもどかしくなって手を引いて進んだ。でもおれもだんだん疲れてきちゃって、いつの間にか横に並んで歩いてた。
「食べたらナンパでもする?」
だってこんなにかっこよく決まってるし、遊びたくもなるでしょ。
手繋いだまま建の顔を見る。したら向こうもこっち見て、そうだなって言った。
「久しぶりに暴れるか」
「いぇーい」
ケーキ屋が見えてきた。
おれはチーズケーキとチョコのキレイなやつとショートケーキと…。あー、選べない!どうしよっかなー。
「建はどうする?」
「イチゴケーキ」
「じゃあおれはチーズとチョコにする!」
「食い過ぎ」
いーじゃん、おれが払うんだからさっ!
店の中はちらほら女性客がいて、少し気まずかったけどケーキ食ったら問題なかった。建もおいしいって食べてるし。
「ん、食う?」
「食うー建もあげる」
「俺はいいや」
分けてもらったショートケーキをもぐもぐ。すっごいうまい。あー溶けちゃいそ。
「イチゴ食っていいよ」
「え、まじ?おまえも今日なかなかのイケメンだなー」
「だろ」
おいしい紅茶も飲んで、会計は建が払ってくれました。なんて男前。
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