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変質者 2
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「で、貴方はどこの誰で、どこで僕のことを知ったんですか。」
僕は変質者を変質者と確信し、着々と現行犯逮捕への道を進める。
しかしそれにしても、変質者というのは本当に変質者なんだな。
僕が変質者逮捕に向けて義務的に情報収集しているのに、何故だろうか、嬉しそうだ。
「私に興味が出て来たのかな、咲耶君!
そうだね、私の話もしないと、私ばかりが君のことを知っているなんてフェアじゃない。
それに咲耶君から聞かれているのに答えないなんて、そんなの私には耐えられない!」
「…」
「私は恥ずかしいながら、S大学三年生の玄田西二郎だ。咲耶君のことは今回の入賞で知った。私自身も現役高校生の頃に入賞したことがあって。
ほら、あれは入賞すると新聞に全文が載るだろう?
それを読んで君の作品、思想に心打たれたんだ!
もう一度言おう!君が好きだ!」
いくつか突っ込む箇所があるのは気のせいだろうか。
玄田さん?だっけ。
この人普通にやばい人だよな。
しかもS大?
僕が住む地域では近場な大学だけど、レベルは適当に入学できるようなものじゃない。
この前の進路希望調査に書いたけど。
「咲耶…この人、やばい…」
ほら、柏崎も引いてるくらいだ、変質者だ。
「でも、咲耶のこと好きってのは本当っぽいじゃん!
とりあえず友達になっとけば?」
柏崎も頭おかしくなっちゃったのかな?
「咲耶君の友人!!
君はわかってくれるんだね!この胸中を!
是非名前を教えてくれないか!」
「いやぁ、それほどでもないですよー!
俺は柏崎尚也。一応咲耶君と友達やってまーす!」
僕は二人の様子をぼんやり見つめると、絶望感に打ちひしがれた。
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