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36話
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昨日多喜とエッチな事をしてしまった
2日続けて!2日続けてとか!
いや…男子高校生的には普通の事なのかもしれないけど俺はどっちかと言うと淡白な方で自慰だって月に2、3回するかしないか位だし
そんな俺が2日も続けてなんて、多喜のエロスにすっかり当てられてる気がする
多喜とエロい事するのは気持ち良いし、それに何だか胸が満たされる
お互いに好きだって気持ちを相手に伝えるコミニュケーションの一種なんだなって思う
肌を合わせたところから伝わる多喜の好きって気持ちが嬉しいし、俺の気持ちも多喜に伝わってるんだろうなって感じる
少し気恥ずかしい気持ちで登校するとクラスの皆が何事か言い合っている
多喜と顔を見合わせて居ると近くの女子が話し掛けて来た
「おはよー!昨日大変だったみたいだね?大丈夫だった?」
昨日…?昨日って何かあったっけ?なんて一瞬考えてしまったので早川さんには少し申し訳無く思う
その後の多喜との出来事の方が強烈過ぎて忘れてしまっていた
恐らく昨日の校門前での事を言っているんだろう
「いや、俺等は別に大丈夫だったけど」
本当に何にも無かったので多喜と顔を見合わせて頷く
「昨日その場に居た子から話聞いたけど、結構ガラの悪い人だったて言ってたから…千夏ちゃんも大丈夫かなって心配で…」
目の前で気落ちしてるクラスの女子を見てると、本当に早川さんの事を心配してるみたいで素直に良い人だなって思う
「友達想いだね」
クラスメートの優しさが微笑ましく思えて笑い掛けると何故か目の前の女子が突然顔を赤くしあたふたしだした
俺は何かおかしな事を言っただろうか?
ありがとうって言いながら女子達の輪の中に入ってくクラスメートを見て首を傾げると後ろから大きな溜め息が降ってくる
「多喜どうした?」
「しょーちゃんの無自覚人たらしが発動したから今後の心配してたー」
「無自覚人たらし?それって多喜の事だと思うんだけど?」
目の前で肩を落とすイケメンの方が完全に人たらしだと思うんだけどな…生まれ持ったカリスマ的な?
「しょーちゃんは本当に自分の魅力を分かってないよね!あんな抱擁力のかたまりみたいな笑顔見せられたら絶対に皆しょーちゃんに惚れちゃう!」
多喜の俺に対する絶対的な肯定と言うか、買いかぶり感を見ていると時々心配になってくるんだが…
お前の中で俺とは一体…?みたいな
いや、もちろんすげぇ嬉しんだけど
「あのなぁ…多喜?こんな何処にでも居る平凡顔にそんな心配するの多喜くらいだぜ?実の親ですらあんなだし」
「恵さんのは冗談でしょー?本当にしょーちゃんは魅力的なんだよ?」
少しは自覚して!って言われてもピンとは来ないから、一応頷いておく
それも丸わかりの様で、ムジカクテンシモエ!とか呪文を唱えている多喜を放置して自分の机に鞄を起きに行った
鞄からペットボトルを取り出してグビグビ飲んでいると目に前に早川さんがやってくる
「篠原君おはよう」
「早川さんおはよう。昨日は大丈夫だった?」
心の中で忘れててすみませんと謝っておく
「うん、昨日は本当にありがとう」
「特に何したって訳でもないから、そんなお礼とか気にしなくて良いよ」
そこまで感謝される事もしてないから逆にお礼とか改めてされると若干困るなぁとか考えてしまう
「そんな事無いよ!本当に昨日は怖くて…私前の学校が女子校だったせいもあってあんまり男の人に免疫とか無かったから…本当にありがとう…篠原君って勇気あるんだね…」
目の前で控え目に笑う早川さんは確かに可愛い
可愛いけどそれだけなんだよなぁ…男子高校生としては有り得ないんだろうけど目の前で可愛い女子がはにかんでても頭に浮かぶのは多喜の事ばかり
俺もどんだけ多喜の事好きなの?とか思っちゃう
「あの…篠原君?」
何の反応も返さない俺に目に前の早川さんが訝しんだ様な顔をする
「あ、ごめん…暫くは気を付けて帰った方が良いと思うよ?複数で帰ったりするとか」
一応クラスメートだし当たり障りの無い提案をしておく
先程心配してた女子の雰囲気を考えるとたぶん一緒に帰ろうとか提案してくるだろうし、クラスの男子達も心配してるみたいだから一緒に帰ってくれるだろう
「あのね、その事で相談があるんだけど…昨日みたいに帰り一緒に帰ってくれないかな?」
ん?なんで俺?
危うく口をついて出そうになる疑問を何とか飲み込
んでいると後ろからいつもの緩い声が聞こえてくる
「なんの話ー?」
座ってる俺の両肩に腕を回して多喜がくっついてくる
いつもの事なので多喜の頭を撫でつつ先程の話を多喜にしても良いものか考えてると、早川さんが矢継ぎ早に説明しだす
「芹澤君おはよう!昨日はありがとね…まだ少し怖いから暫く篠原くんに帰り一緒に帰ってもらえないかなって思って…」
さっきと同じ様な内容を多喜にも説明する早川さんを見て何て返事をするべきか悩んでると、くっついていた多喜が背筋を正す
「なんで?」
今まで長い付き合いの俺ですら聞いた事が無い様な冷たい声に、今の発言は果たしてあの多喜から出た声なのか疑うレベルだ
「え…っと…」
目の前の早川さんも少しびっくりしている
「早川さん…だっけ?昨日怖い思いしたのは分かるけど、それならまず相談する相手が違うんじゃない?
親には?警察には?相談した?」
「う、ううん…まだだけど…」
「怖い思いしたなら尚の事しょーちゃんに相談するのは間違ってるよねー?
昨日みたいに誰彼構わず暴力振るう様な相手…しょーちゃんが怪我したらどうしてくれるの?
昨日も大事にしたくないからって、偶然居合わせたから送って行ったけど…そんな危険な目に遭うかもしれない事に未成年を巻き込むよりも先ずは大人に相談しなよ?ねー?」
…顔は笑ってるけど全く目が笑ってないぞ
多喜の笑顔の圧力に怯んだのか早川さんが俯く
これはフォローすべきだよな…うん
「あの、多喜も早川さんの事心配してるから大人に頼ったほうが良いって思っての事だから!
何かあってからじゃ遅いからね?たなちゃん…あ、うちの担任ね?まずたなちゃんに相談しなよ」
フォローするはめになった当の本人は全く気にした素振りもせずに俺の肩口におでこを擦り付けている
多喜があんな態度取る事自体珍しいから心配になる
「そ、そうだよね!ちょっと図々しかったね…ごめんなさい!後で先生に相談してみるね…」
「あ、こちらこそ」
早川さんがクラスメートの輪に戻ったのを確認してから、以前として後ろから肩におでこを乗せたままの多喜の頭を撫でる
「多喜ー?そろそろHR始まるぞ?」
「…うん」
それでも多喜は顔を上げない
「今日の1時間目生物じゃん?」
「…うん」
「サボりませんかー?」
そう言って多喜の頭を軽く数度叩くと小さく頷いて自分の席へと戻っていった
その後ろ姿が完全に怒られて項垂れる犬っぽくて、姉の犬発言に今なら全力で同意出来る
取り敢えず多喜のあの態度の理由を聞かないとなって思いながら、先程の項垂れた多喜の後ろ姿を思い出して破顔する
何であんなカッコカワイイのかね、とか惚気てしまう辺り完全にバカップルだよなぁ
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