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11話
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ずっと前から考えていた
もしも、しょーちゃんと付き合えたら…
色んな想像を膨らませて胸をときめかせて
だけど最終的に妄想の行き着く先は「別れ」だ
付き合うと言う事は勿論別れも当たり前に存在する
異性であれば結婚であったり子供であったり、別れを思い止まらせる方法はいくらでもある
俺は同性愛者では無いし普通に女の人と恋愛も出来るだろうし肉体関係を結ぶ事も出来ると思う
もちろん試した事は無いけれど
逆にしょーちゃん以外の同性にそんな欲が生まれるかと言われればそれは断言出来るがあり得ない
俺は同性愛者ではないが、異性愛者でも無いのだ
しょーちゃんが女性であれば迷わず正攻法で手に入れるだろうし、同性である事で諦めようだなんて微塵も思った事が無いのだ
しょーちゃんで無ければ意味が無いし、逆に言ってしまえばしょーちゃん以外はどうでも良いとさえ言える
もちろん家族は大切だ
父さんも母さんも弟も、俺にとっては掛け替えのない存在だ
だけど、しょーちゃんへの思いを否定されたり反対されたとしたら…俺はたぶんしょーちゃんを選ぶ
俺にとってしょーちゃんが全てなのだ
それくらいの覚悟で俺は彼を好きになった
この気持ちを純愛だと言う人も居れば狂気だと言う人も居るかもしれない
俺の篠原翔悟と言う存在に対する執着は並大抵のものではないのだ
だけどしょーちゃんはどうだろう?
たぶん俺があらゆる手を使ってしょーちゃんと付き合えたとして、しょーちゃんも俺の事を好きになって最初は上手くいくと思う
だけど優し過ぎるしょーちゃんが俺の親や彼の親を欺き続ける事は出来ない
罪悪感で別れを選ぶ未来なんて容易く想像出来る
それはしょーちゃんの気持ちが其の程度だからだって事じゃなく、俺や俺の家族を思って別れを選ぶのだ
しょーちゃんには捨てる事が出来ないものが多過ぎる
でもそれで良いのだ
そんなしょーちゃんだから好きになったし、そんなしょーちゃんだからこそ俺を受け入れてくれる余地がある
それなら俺が取る行動はたった一つだ
しょーちゃんに何も失わせること無く手に入れれば良い
まずは親から説得した
そんなに手こずることは無かった
父さんはどちらかと言えば俺と同じ考え方だし、母さんとの馴れ初めを聞けば俺の思考回路なんてお見通しだと思う
それに2人は本当にしょーちゃんを実の息子みたいに思ってる
母さんに至っては翔悟君がお嫁さんに来たらママ嬉しいわ!なんてはしゃいでいた
だけどしょーちゃんの意思を絶対に尊重する事と釘を刺された
まぁ、その点に関しては自信がある
俺はしょーちゃんの嫌がる事はしない
こうやって外堀を埋める様な事も結果的にはしょーちゃんを傷付けたりしないと確信してるからこそ出来るのだ
まぁ俺の家族以外にしょーちゃんの家族も説得してたって知ったら…恥ずかしさで怒られる可能性はあるかなー
でもさっきしょーちゃん嬉しそうだったし、やっぱり予想通りだったなって思う
付き合ってすぐに俺の親に報告したのはしょーちゃんに罪悪感を感じて欲しく無かったのと…俺からしたら絶対に逃がさないって意思表示
もちろんしょーちゃんの意思を尊重するよ?
だけどその意思ごと俺の都合の良い方向に持って行くのは悪くないよね?
しょーちゃんも俺とずっと一緒に居る事を望んでくれたらその意思を尊重するのは俺にとっては容易い事だから
絶対に幸せにするから安心してね、しょーちゃん
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