アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
21話
-
「何か拍子抜けしたら一気に疲れたー」
そう言いながらしょーちゃんがベッドに倒れ込む
恵さんにお付き合いする報告が終わってしょーちゃんの部屋に一緒に引き上げた
寝転がるしょーちゃんの足元に腰掛けると僅かな振動にうつ伏せになったしょーちゃんが顔だけこちらに振り返る
その表情はどこか拗ねたような雰囲気があって唇を尖らせた顔がまた可愛い
「どうしたの?」
先程からニヤニヤとだらし無くなる表情が抑えきれない俺は、しょーちゃんが拗ねてる理由が何となく分かるものの素知らぬ顔で尋ねてみた
「べっつにー!何でもない!」
何でもなく無いのにぐりぐりと枕に顔を押し付けながらくぐもった声で答える目の前の彼が愛しくて仕方がないのだ
しょーちゃんの意思で恵さんに伝えてくれたと言う事実は俺をただ喜ばせるだけだったし、俺との付き合いを積極的かつ前向きに捉えてくれてるのが分かるから幸せで先程からニヤニヤが収まらないのだ
行く行くはもちろんしょーちゃんの家族にも言うつもりではあったけれど、昨日の今日でなんて嬉しい誤算だ
あぁ、本当にしょーちゃんは何時でも俺の気持ちを真っ直ぐ真剣に受け止めてくれるのだ
そんな存在を愛しく思うのは最早当然だとも言える
俺は未だに枕に顔を埋めるしょーちゃんの腰元に座り直すと優しくサラサラの髪を掬い上げた
「しょーちゃんこっち向いて?」
意識して甘い響きを持たせながら優しく声を掛けるとしょーちゃんは素直に寝返りを打ってこちらを向いてくれた
「しょーちゃん怒ってる?」
額にかかる前髪をゆっくりと払いながら滑りの良い頬をさり気なく撫でて問い掛ける
しょーちゃんはくすぐったいのか笑いながら俺の手首を掴むと優しく指先同士を絡めてきた
本当、たまらない
「怒ってないよ?寧ろ何に対して怒ったら良いんだよ」
「んー…俺がしょーちゃんに内緒で恵さん達に話してたから、勝手な事して嫌だったかなって」
たぶんしょーちゃんは嫌がってる訳では無いだろうけど、狡い俺は落ち込んでるみたいに俯きながら伝える
いや、本当に嫌がられたら演技とか無理な位に落ち込むんだろうけど
「バカだなー」
そう言ってしょーちゃんが優しく頭を撫でてくれた
しょーちゃんの犬にでもなった気分で落ち着く
「多喜がまさか俺の親にも言ってるなんて思わなかったから驚いたけど、何か悔しかったって言うか」
ーあんな勇気要る事2回も1人でやり遂げるんだもんな…そんだけ俺の事考えてくれてたのが嬉しい反面、多喜の気持ちに気付けなかったのが悔しいって言うか
苦笑しながら伝えてくるしょーちゃんに、あぁやっぱりしょーちゃんだなぁって思いながら嬉しくなる
「しょーちゃん大好き!」
そう言いながらしょーちゃんに抱き付いてみる
上体を起こしていたしょーちゃんが俺と一緒にまたベッドに沈んだ
笑いながらしょーちゃんの手が背中を擦る
「俺も多喜が好き」
柔らかいしょーちゃんの声
初めてのキスは絶対にロマンチックな演出をするって決めてたのに何かもう我慢出来なくて
「しょーちゃん…キスしたい…しても良い?」
そう言うと返事も待たずにそっと唇に触れた
目を閉じる前にしょーちゃんが真っ赤になってたから、これはOKで良いと思う
初めて触れたしょーちゃんの唇は柔らかくて、だけど少しだけカサついていて
しょーちゃんとキスしてるんだって実感が更に湧く
暫くただ触れるだけのキスをしてそっと離れた
鼓動が早くて苦しい
「かなり恥ずかしい」
そう言ってしょーちゃんが両腕で赤くなった顔を隠すのが可愛すぎる
「でも幸せだねー」
そう言ってしょーちゃんの隣に寝転がると顔を隠しながらもスペースを空けるように横にずれてくれる
あぁ、愛しいなぁって
思い付く言葉はそればかりだ
ファーストキスが初恋の相手だなんて幸せにも程があるよね
初めて好きになったのも、初めて付き合ったのも全部しょーちゃんだから、これから先の初めても全部しょーちゃんと一緒が良いなぁ
そんな風に思いながらしょーちゃんを抱きしめると腕の中でモゾモゾと動いてこちらを向いてくれた
ちょっとだけ顔が赤いまま上目遣いで見上げてくるしょーちゃんに理性が崩壊しそうで、これはセカンドキスも奪っちゃおうかなーなんて考えている所に俺の最大の敵が襲い掛かってくるのだった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 37