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24話
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多喜と付き合い始めて何だかんだ2週間が経過した
今までとあまり変わりはなかったけれど、スキンシップは以前よりも増えた気がする
お互いの部屋で勉強してる時とか、ふとした時に軽く触れ合う程度のキスをしたり
恥ずかしいけれど嫌では無くて、凄くゆっくりとしたペースだけれど段々と恋人として前進している気がする
多喜は俺の事を凄く大事にしてくれるし…まぁそれは幼馴染みの時から変わってないかもしれないけど以前にも増して多喜の表情が甘く感じるのは付き合ってる欲目だろうか
側から見たら何も変わらないかもしれないけれど、確実に俺は多喜を意識しているし2人で過ごす時間を特別に考える位には多喜を好きな自覚がある
それに多喜は愛情表現を隠そうともしないし、いつも真っ直ぐ気持ちを伝えてくれるのが嬉しかったりするのだ
俺等の関係は至極順調に進んでいた
…ちょっと時期外れの転校生が来るまでは
ー転校生が来るらしいよ!
ー嘘?まじでー?
多喜と一緒に登校するとクラスの前で女子2人が盛り上がっていた
自分の机にカバンを置くとクラスでも仲の良い木村が話し掛けてきた
「篠やんおはよ!聞いた?転校生が来るんだってよー」
「おはよー!何かクラスの前で女子が話してたわ」
「おー!たなちゃんと一緒に居たらしいから多分うちのクラスに来るんじゃね?」
たなちゃんとはこのクラスの担任で緩い性格から生徒に慕われ愛称で呼ばれている先生だ
「へー…随分と半端な時期に転入してくるんだな」
「確かに!でも朝見た奴の話じゃすげぇ美少女らしいぜ」
そんな話をしていると多喜がクラスの奴と挨拶をしながらこちらにやってくる
「芹澤おはよー」
「おはよー何の話してたのー?」
「何か転校生が来るんだってさ」
木村が俺の言葉に付け足す様に美少女らしいと興奮気味に多喜に伝えている
多喜はと言えば全く興味が無いのか軽く流す様に頷くと木村がイケメン爆ぜろ!とか言い出すので朝からテンション高いななんて笑っていた
それから今日の2限にある英語の小テストがヤバイんだって木村は席に戻って行った
「しょーちゃんも転校生気になる?」
突然多喜がそわそわしながら尋ねてくるからその真意を考えると全くもって愛い奴めとか思ってしまうので自然と口角が上がってしまう
「別にー…俺には美少女も裸足で逃げ出す位の美形な恋人が居るし?」
笑いながら小声で答えると多喜の笑顔がより一層甘くなる
くっそ…めっちゃ照れるわーなんて考えてるとチャイムと共にたなちゃんが教室に入ってきた
「ほらーお前らさっさと座れよー」
緩いたなちゃんの発言に前の方に居た女子がたなちゃんおはよーと声を掛けながら席に座り始める
多喜も後でねーと言いながら自分の席に戻って行った
「今日はこのクラスに転校生が来るぞー!男子喜べよー可愛い女子だぞー」
その発言にクラスの男子等は色めき立つ
「よーし!入ってこい」
その言葉にクラスの皆んなが教室の出入り口に注目する中ゆっくりと入ってくる女生徒の姿に、あー…確かに可愛いな、なんて思った
「早川千夏です!親の仕事の都合でこの町に引っ越して来ました!みなさんよろしくお願いします」
そう言いながら笑う姿は確かに美少女と言っても過言ではなかったのでクラスの男子は大盛り上がりだった
お辞儀と共にさらさらとした黒髪のロングヘアーが揺れる
顔を上げてクラス全体を見渡した早川さんの目がある一点で一度止まったのは気のせいだろうか
それは勿論多喜が座る席の方向で、そんな多喜はと言うと興味が無いのかノートに何やら一生懸命に書き込んでいた…何やってんだ多喜のやつ
たなちゃんが早川さんに座る席を指示しながら1限始まるまでお前らあんまり騒ぐなよーと言いながら教室を出て行った
それと同時に早川さんの席の周りには人集りが出来る
片田舎のこんな場所じゃ転校生は珍しいし皆んな興味津々みたいだ
「しょーちゃん見て見てー」
そんな中、多喜が雑誌片手にこちらに向かってくる
「どうした?」
「今日髪切りに行こうかなって思ってるんだけど、どっちが良いかなーってしょーちゃんに昨日聞きそびれたー」
多喜の持つ雑誌には赤丸で囲まれた男性モデルの写真があって、さっき書き込んでいたのはこれかと一人納得した
「今日行くの?」
「うん!しょーちゃん予定あった?」
「特にないから俺も切りに行こうかなー」
前髪邪魔になって来たし…って言いながら前髪を緩く掴むと多喜が優しくサイドに払ってくれる
「しょーちゃんの今の長さ俺好きだけどなー」
「そうか?」
ーうん…下向く時に髪の毛耳に掛ける姿が色っぽいなぁって
耳元で囁いた多喜の言葉にここが教室なのも忘れて思わず赤面してしまった俺は、机に突っ伏して「じゃあ…切らない」と呟く他なかった
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