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20XX年X月X日
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その日はもの凄く暑い日だった事を覚えている。
外に出て少し歩くだけで汗が滲み出て、蝉は煩く鳴いていた。
学校は日曜日で休み。
少年団もなかった俺は近所に住む友人達と近くの空き地でサッカーやバスケ、ドッチボールなどをして遊んでいた。
夢中になって遊んでいた俺たちは陽が沈み始めた事に気付き、皆それぞれ自宅に向かった。
今日は日曜日だ。
家族みんなで晩御飯だなぁとウキウキしながら家へと走った。
家の近くまで来ると見知らぬ車が一台停まっている事に気付いた。
お客さんでも来ているのかな?など考えながら足を一歩進んだ時だった。
家の玄関から四人くらいの男の人達が駆け足で出てきた。
男達はどこか慌ててる様子だった。
そのうちの1人が俺の方をジッと見てるような気がし男を見た。
男は他の3人と違い背が高く、こんな真夏日に真っ黒な長袖とチノパン。
汗一つかいていないかのように涼しげな顔をして俺に向かって微笑んだ。
まるで俺を今すぐにでも捕まえて頭から喰ってやると言われてるような嫌な微笑みだった。
そして停めていた車に急いで乗り込み急発進でその場から消えていた。
不思議に思い、車が走っていった方をじっと見ながら家の前で行くと道に赤い液体が斑点模様に広がっていた。
その斑点模様はさっき四人の男達が歩いてた所にまばらに広がっている。
何処からこの赤い液体は来たのか男達が出てきた方へと目をやった。
その液体は自分の家の玄関から続いていていた。
俺は恐る恐る玄関へと近寄った。
玄関は少し空いている。
まだ子供だった自分でも気付いた。
何時もと様子が違うと…。
玄関の扉をゆっくり開けた。
家の中の空気どこかどんよりとしている。
中に入り、『ただいま』と言っても返ってくるはずの返事はなかった。
さらに中に進み家族がいるかいないか確かめた。
TVはつけられたまま、祖父母が使っている湯呑みも居間のテーブルに置きっぱなしにされている。
小さい弟が遊んでいたんだろう。
怪獣やヒーローの人形は散らかったまま。
台所に行くと包丁やまな板は使ってそのままにされ、そばにあった材料などは今から鍋に入れる状態になっていた。
もしかしたら2階に皆いるかもしれないと階段を駆け上がる。
2階の居間からTVの音が聞こえた。
父はいるかもしれないと扉を開けた。
そこには誰もいなかった。
あったのは飲みかけのお茶と父の好きな本だけ。
こんな状態で何処かに行くような家族じゃない。
その時ふいに思ったのは…。
自分の部屋。
まさかここにいるわけないとゆっくりと開けた。
そこにいたのは血塗れの家族だった。
祖父母は床に倒れ、母は幼い弟を抱き締め、父は家族を守るように覆い被さりながら皆の上に倒れていた。
俺は…わけが分からなかったが…一瞬で皆さっきの人達に殺されてしまったんだと理解した。
小学生だった俺は取り敢えず警察を呼ばなくてはと電話がある1階へと降り、電話をした。
その間、またあの人達が戻ってきて自分を殺しに来ないかと不安になり、近くに住む叔父と叔母の家へと走った。
叔父の家に車が2台あり、皆いると安堵しインターホンを鳴らし返事が返ってくる前に中に入っり急いで居間に入った。
でも、誰もいなかった。
TVはつけられたまま、飲みかけのコップもそのまま。
ああ…ここもあの人達に襲われたのかと察した。
皆どこにいるのか中を探し回った。
台所、トイレ、風呂場、従兄弟の長女の部屋、次女の部屋、産まれたばかりの長男と叔父と叔母の部屋、そして…家族皆で寝ている寝室の扉を開けた。
そこにはうちの家族と同様に皆死んでいた。
覚えているのはそこまでだ。
犯人であろう男達の顔と家族と従兄弟家族の死体。
そして、俺に微笑んだあの男。
意識がはっきりしたのは警察の人が俺を優しく抱き締めてくれていた時だった。
その後聞かされたのは俺の血縁者達が全員殺され、死体は100人を超えたと言う話だった。
それぞれの死体はある身体の一部分が盗まれていたそうだ。
そして…俺は1人になった。
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