アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
あれから…10年後
-
俺はついこの間無事に警察学校を卒業した。
今日から俺は警察官となり警視庁で勤めることになった。
希望している部署はもう決まっている。
『奇警』だ。
『奇怪殺人事件特別捜査班』
略して…『奇警(きけい)』
奇警は日本の各地で起きた恐ろしく残虐で奇怪な事件のみ取扱う。
この課は奇怪的殺人事件専門の警察官・科捜研・検死官・精神科が置かれている。
メンバーは全員で20人程度。
警視・課長…1名
警部補・係長…1名
巡査部長…1名
巡査…2名
科捜研
警部・課長補佐及び科捜研主任…1名
研究員…10名
・法医学(生物化学)分野鑑定
・心理学分野鑑定
・文書鑑定
・物理学(工学)分野鑑定
・科学分野鑑定
を11名で補っている。
検死官
検死官長…1名
検死官2名
精神科
医師…1名
計20名
警察学校にまだ通っていた頃に先生から聞いた。
この課が出来た理由も…。
他の課と違うのは全て現在いるメンバーのみだけで捜査を進め、犯人が分かるまで情報を一切話さず解決するまで誰にも公表せず、他の課には一切話しをしないと噂で嫌われている課らしい。
俺は今日、そのメンバーの1人になった。
まずは、奇警がある場所を探さなくてはならないのだが……。
広い…。
広すぎてどこに何があるかさっぱり分からないっ!!
初日から遅刻なんて笑えないぞ!と焦りながらも廊下を早歩きした。
奥に進むと沢山の警察官が行き来する廊下に出たらしくここで誰かに聞けばいいか!など思いながら自分と歳の近そうな人に駆け寄ろうとした時だった。
『あ〜あ〜ああ〜てすてすマイクのテストちゅう〜。こんなもんで大丈夫かな?あ、うるさいくらいだって?まぁいいか…。』
こんな狭い廊下でメガホンを抱えながら何かぶつぶつ呟くスーツの男と怠そうに何か書かれた紙を持つ白衣の女。
その隣には作業着を着た男二人の四人が立っていた。
如何にも怪しい。
周りにいる人も近づきたくないのか少しずつ距離を置いている。
メガホンを持った男がわざとらしい咳払いを一つし、大きな声で喋り始めた。
『あー、今日から奇警なんて言う変人が集まる課に配属すると希望した変人のえ、なんだっけ?ああ、江本ぉーなんて読むんだこれ…』
男は手元に持っていた紙をガン見しながら名前を読もうとしている。
隣にいた白衣の女性は耳元で何か囁いた。
『んあっ?あー紛らわしい名前だな…えー江本諒(エモトアキラ)江本諒!もし直ぐそばにいるならこちらに来なさい。』
男はやっと名前を読み上げたらしい…いや、あの女性が教えたんだろう。
……てか、俺の事だな…。
この注目されてる中、来いだと…。
あー初日から最悪だ。
俺は仕方がなくあまり目立たない様にこっそりと近づき男の前に立った。
「あのぉー江本諒は自分です。」
何だろう…自首してる気分だ…。
俺は何も悪い事をしていないのに…凄い注目を浴びてしまっている。
男はメガホンのスイッチを入れっぱなしのまま俺に話しかけた。
『おぉ!これまた童顔の可愛い子が入ったじゃねぇか。おい!』
なんだこの男は…いきなり初対面を侮辱してきやがったぞ。
隣にいた女性は無表情のまま俺の事をジロジロ見てくるし、作業着の2人は凄く楽しそうに笑ってる。
俺は一旦、さっきの事を忘れ一息ついた。
「あの、皆さんは奇怪殺人事件特別捜査班の方ですか?」
メガホンを持った男はニヤッと笑うと俺の肩をガシッと掴み、背後にいた作業着の2人も俺がこの場から逃げないように腕を掴んできた。
「ああ、そうさ!俺は巡査の柴田な!宜しく、後輩!」
この柴田と言う男は力が強いのか肩から手を離そうとしてもびくともしない。
作業着の眼鏡をかけた1人が苦笑しながら柴田の手を軽々と俺の肩から剥がした。
「こらこら、柴田ぁ。後輩ができて嬉しいのは分かるけど苛めるなって。」
その眼鏡は俺に向かって手を差し出してきた。
「ようこそ、奇警へ。俺はここの科捜研研究員の田辺邦彦だ。よろしくな。」
少し悪戯っぽい笑顔で田辺が俺と握手をした。
呆気に取られていると背後からアフロ頭の眼鏡が握手を求めるかのように手を出してきた。
「俺、亘。よろしく。」
俺は素直に彼の手を握る。
目の前にいる彼女が握手をしようとしてくれたのか手を出してきた。
その時誰かの携帯が鳴った。
彼女は溜息をつき白衣のポケットから携帯を取り出した。
「はい、永久です。」
柴田と田辺の顔つきが変わった。
亘はニヤッと笑い俺の肩を叩いた。
「諒くん。事件だよ。」
亘はそう言うと奥の階段へ降りていった。
それに続いて田辺と永久もいってしまった。
柴田は深い溜息をつき俺の腕を掴んだ。
「さぁ、江本。お前の初任務だ。吐くなよ!」
バシッと背中を強く叩かれ俺も後に続いて柴田に着いていった。
そう、これが俺の初任務。
〜看護師連続レイプ殺害事件〜
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 6