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「そうか。ありがとう。ご苦労だったな。」
もういいぞ。
そう声をかけて立ち上がろうとした時に、
「あの。」
俺に対する、普通の看守の態度とは思えないほど凛々しい、筋のとおった声で向こうのほうから話かけてきた。
「これから、どうなさるんですか?」
「すまないが、口外されると困るんでな。
話を聞かせてもらっておいてなんだが、いえないんだ。申し訳ない。」
「っもし、…。
もしも、69番に引っかかっていて、会おうと思っていらっしゃるのでしたら、ご尽力いたしましょうか?」
「尽力?どういうことだ。
一介の看守が、なにかできることがあるというのか。」
「いえ。一介の看守にはできませんので、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。
きっと損はさせませんので。」
そう言って、一方的にしゃべって裏へ入ってしまった。
気にせずに帰ってしまってもよかったのだが、どこか異様なオーラを放っている青年のことが気になって、そのまま数分待った。
「お待たせしました。」
そこに現れたのは、きっちりとスーツを着た、さっきの青年だった。
「69番について、少しお話しでもしようではありませんか。」
そう言って青年は、薄く笑った。
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