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ピンポーン ピンポーン
「お邪魔します。さあ、おいで。」
霧ヶ峰が声をかけて、やっと入室が許可されたかのように家の中に入ってくる。
…まるで、霧ヶ峰こそが絶対君主であるかのように。
いろいろと思う所はあるものの、ぐっとこらえながら、俺は笑顔を見せた。
「いらっしゃい。」
誰がどうみても、一目で作り笑顔だとわかる笑顔で。
「すまないが、優は今二階の部屋にいる。いま呼んでくるから、待っててくれ。」
俺が二階へ足を向けただけで、椅子を引き、お茶やお菓子を出す姿は、さすが執事長といっていいだろう。
執事長がいるなら安心と、激しい鼓動を落ち着かせるように、ゆっくりと向かった。
三回ノックして、鍵を開ける。
優は、相も変わらず部屋の隅でうずくまっていた。
「来い。霧ヶ峰達が来た。お前を会わせる。」
今回ばかりは、優の「やだです。」を聞く気は一切なかったから、優が少しだけ、わずかに体重をかけてくるのもかわらずに連れ出した。
一階に降りてから、優を応接室の前に待たせて、霧ヶ峰を部屋から出させた。
69番と、優が二人っきりになるとどういう反応をみせるのか、興味があったし、なにかがわかると思ったからだ。
これには霧ヶ峰も賛同してくれて、カメラ越しに観察している、いまに至る。
「さて、一体どうなるのかな…。」
どんな科学変化が起こるのか、楽しみでもあり、また不安でもあった。
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