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「優さんのために特別に取り寄せた茶葉なんだ。気に入ってくれると嬉しいな。」
『奴隷のためにわざわざ取り寄せてやったんだから感謝しろ。』
……僕の耳にはなぜか副音声みたいになって聞こえてしまう。
今現在のご主人様の許可をもらうまで「まて」の状態で待機する。
ここまで奴隷のことをわかっているご主人様なら、僕たち奴隷のことをわかっているからすぐに「よし」っていうはずなのに、なぜか奴隷側からすれば不自然な一瞬の間をおいて、「どうぞ、召し上がってください。」って言われた。わからない。
一体どういう目的でこの人は僕に紅茶なんてものを飲ませているんだろうか……。
もしかしてこの紅茶の中に、なにか媚薬とか自白剤とかよくわかんない薬でも入っているから飲ませたいのか?僕はていこうなんてしないで、ちゃんと素直に飲む奴隷なのに……。
もし躾がなっていないなんて思われてたら、ちょっと心外だなぁ。
なんて考えることを必要としない奴隷の頭でいろいろ考えてみたけど、やっぱり考えることなんて必要なかったようで、唐突に、僕の扱いやすい手のかからない優等生な「奴隷」としての生活が終わりを告げる。
「君は……、二重人格だよね?」
あぁ、バレてしまってたのか……。
本人の僕でさえまだ気付いたばっかりだったのになぁ。
あってまだ間も無い人様に見破られるなんて、やっぱり僕はダメな奴隷だ。
ご主人様の問いに対して、僕はその首をゆっくりと縦に振った。
多重人格や薬物関連などで異常が見られる奴隷の道は、基本二つ。
しかし、どのどちらもそのまま同じ主人のところで飼われるということは、まずありえない。
一つは、薬物依存症などの異常者が好きな様々な種類の異常愛好家に連絡が入って、その中で引き取り手があれば、次の主人が決定となる。
元の主人は、主人が望むのであればそのまま飼い主として君臨し続けるけど、基本はそのな病気持ちの気持ち悪い奴なんて誰も買いたがらない。
もう一つは、買い手がつかなくて、元の主人にも入らないと言い渡されてしまった場合。
そして、これまでいた施設もただでさえ奴隷を飼うことで食費やらなにやらと金がかかっているので基本は病気持ちなど引き取らないけど、ごく稀に看守たちのお遊び道具として引き取られる場合がある。そんな慰み者にもなれないほどのめんどくさいやつらは、大体同じ道をたどっている。
殺処分、って。
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