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6話 どんな想いで
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「なぁ、咲良」
「…なんだよ」
「そんなに俺が嫌いか」
眉を下げて俺に問う安坂を見ると、胸がキュッと締め付けられる。
なんだ、これ。
なんで俺…こんな胸が痛いんだよ…?
「もー!安坂ちゃんと天希ちゃん仲悪すぎじゃん~!もう少し仲良ししたら?」
「………」
「………」
「雰囲気最悪ってやつだねぇ~!」
ゲラゲラ笑う山本の足を思いっきり踏むと、うるさい声も静かになった。
「咲良、放課後空いてるか」
さっきの悲しそうな表情からいつもと代わらない無表情に変わった安坂が尋ねてきた。
「空いてない、先約がある」
素直にそう返せば、また悲しそうな表情を浮かべる。
なんだよコイツ…
俺がどんな想いでお前と話してるのか…知らないだろ?
どんな想いでいつも居るか知らないだろ?
ぎりっと唇を噛んで居ると、山本が俺の肩に手を回す。
「はいはーい、天希ちゃんちょーっと便所行こーよ!」
「は?なんで俺が」
「まーまー!いいじゃん!いいじゃん!」
無理矢理引っ張られる形で俺は山本と共にトイレへと向かった。
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