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8話 嘘つきの自分
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トイレから教室へと戻ると、すぐにチャイムが鳴った。
これから入学式、在校生は長々と続けられる話やらをずっと聞いていなければならない。
面倒だな…なんて思いながらも俺達は今、校長の話を聞いている。
長ったらしい挨拶に聞き飽き、ボーッと3年の席へと視線を向ける。
「あ」
小さく声に出してしまったが、誰も気付いていないのでよしとしよう。
俺が見つけたのは、凜先輩の姿。
真面目な先輩の性格じゃ、校長の話だってちゃんと聞いてるんだろうな…
姿勢を正しくして座るその姿も、俺は今見とれている。
凜と咲く、ひまわりみたいな人だよな…先輩って。
「………」
先輩にだいぶ前、聞いた。
安坂と凜先輩の出会いのこと、凜先輩が安坂を好きになった時のこと。
今、それを思い出して何となく笑った。
「先輩が幸せになれたらいーな…」
笑ってくれるなら、俺はそれでもいい…なんて。
みえみえの嘘を俺は吐く。
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